森保ジャパン守り勝った 麻也顔面ブロック!サウジ猛攻を完封8強
「アジア杯・1回戦、日本1-0サウジアラビア」(21日、シャルジャ)
2大会ぶり5度目の優勝を狙う日本は、過去3度のアジア制覇を誇るサウジアラビアを1-0で下し、8強入りした。前半20分にDF冨安健洋(20)=シントトロイデン=が先制ゴール。サウジアラビアの猛攻を体を張った守備でしのぎ切った。森保一監督(50)も「最後まで粘り強く戦い抜いてくれた」と死闘を制したチームをたたえた。準々決勝ではベトナムと対戦する。大会第14日の20日はイランが2-0でオマーンに勝ち、中国は2-1でタイを下して8強入りした。
しぶとく、抜からず、したたかに-。90分間を耐え抜き勝利のホイッスルが響くと、森保監督は満面の笑みでスタッフ、選手とハイタッチして、DF長友は雄たけびをあげた。苦しみながらもつかみ取った8強の切符。「決勝トーナメントでは、勝つことが大事。その中でアジアトップクラスのサウジアラビアを無失点に抑えられた。選手たちは粘り強く、タフに戦ってくれた」。指揮官は選手への賛辞を送った。
守勢に回る時間は長かった。「(想定以上に)サウジの攻撃を受ける形になってしまった」と指揮官が振り返るように、試合を通じてボールの支配率はわずかに23・7%。それでも耐えられたのは、ある程度、ボールを持たれることを想定していたため。高さよりもスピードを生かしたアタックを繰り出すサウジアラビアに対して、DFラインの背後のスペースを消し、中央をキッチリと固めて相手の攻撃を迎え撃った。
日本が放った3倍となる15本のシュートを浴びながらも、枠内に飛ばされたのはたった1本。「ほとんど支配されて守備の時間が長かったですけどこういう試合を勝ち抜くこともチームのためには必要。よく耐えたと思います」と主将DF吉田は胸を張る。カウンターから危機を招いた後半42分には吉田、MF柴崎、DF長友がそれぞれ体を投げ出して3連続で相手のシュートをブロック。慌てずに対処し続けた。
試合前、チームが一丸となるきっかけがあった。右膝痛を抱えるMF青山が、サウジアラビア戦を最後に離脱することがチーム内に伝えられた。選手たちに送った「オレにとっては、今日が決勝戦。勝ってくれ」という言葉。「グッときました。あれでチームが一丸となった」と殊勲のDF冨安は振り返る。
中2日で迎えるは、B組1位のヨルダンを倒した伏兵・ベトナム。FW武藤も累積警告で出場停止と、苦闘は続くが「相手より準備期間、回復の期間が短い中で最善の準備をして次に向かいたい」と指揮官。頂点に向け、歩みは止めない。