森保ジャパンVARで“判定勝ち”麻也先制弾取り消しも…堂安PK決勝弾で4強!
「アジア杯・準々決勝、日本1-0ベトナム」(24日、ドバイ)
準々決勝が行われ、2大会ぶりの優勝を狙うサッカー日本代表は、映像を使ったビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で判定されたPKをMF堂安律(20)=フローニンゲン=が決め、1-0でベトナムを下した。4強入りは優勝した2011年大会以来2大会ぶり。
その瞬間、スタジアム中の視線が背番号「21」の左足に向けられていた。後半12分、MF堂安が自ら得たPKをゴール右隅へと蹴り込んでネットを揺らした。「やってやったぞという気持ちが大きかった」。試合開始から57分。待ちに待った先制点だった。
“吉報”は2分後にやってきた。0-0で迎えた後半8分、MF原口のパスに抜け出した堂安が相手DFと交錯。一時はノーファウルの判定だったが、その2分後に準々決勝から導入された、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)から連絡を受けた主審が映像を用いて再判定。相手のファウルが認められ、PKを得た。
テクノロジーでスコアが左右した90分間だった。前半24分、左CKからDF吉田がヘディングでゴールにたたき込んだが、直後にVAR判定で吉田のハンドがあったとして、得点は取り消し。「審判も前例をつくるために使いたがるだろうと思っていたので、ひょっとしてハンドかな、と思っていたので仕方ない」とは吉田。“機械の目”によって自身の先制点は砂漠の蜃気楼(しんきろう)のように消えた。
立ち上がりから、集中力の欠如が散見された日本。吉田のゴールが取り消されただけではなく、前半38分にはGK権田と吉田の連係ミス、その直前には原口の中途半端なクリアからピンチを招くなど“自滅”の可能性は大いにあった。何度もカウンターで危機を迎えた。それでも最後まで粘り強く戦い抜き、ゴールを割らせなかった。
「ベトナムが辛抱強く戦えるチームだということは分かっていた。選手がじれずに、集中力を切らさずに戦ってくれた」。森保監督は試合後、2試合連続無失点で4強入りを勝ち取った選手たちをたたえた。頂点まであと2つ。試合内容に課題は残しても、着実に「結果」を積み上げる姿が頼もしい。