川崎MF中村 15年連続弾 先制FK「イヤァオ!」ポーズ出た
「明治安田生命J1、川崎1-1鹿島」(1日、等々力陸上競技場)
3連覇を狙う川崎は昨季アジア王者の鹿島と1-1で、2試合連続で引き分けた。川崎は前半9分、MF中村憲剛(38)のJ115年連続ゴールとなる直接FKで先制したが、同21分に鹿島FW伊藤翔(30)に同点ゴールを決められた。広島と磐田は0-0で引き分け、ともに前節に続く勝ち点1となった。
歴戦の司令塔には“その先の未来”が分かっていた。「すべてのフィーリングがピタリとあった。置いた瞬間、『自分がしっかりと蹴れば入る』という確信があった。力むことなく蹴れました」。前半9分、ゴール前やや左からの直接FK。距離は約20メートル。MF中村が放ったシュートは、思い描いた通りの軌道を描いてゴールへと吸い込まれた。
チームとして今季のリーグ第1号。さらに個人ではMF遠藤(G大阪)、FW中山(沼津)と並んで史上2位タイとなるJ1で15年連続得点。中村自身は「何年連続で、とかそういうの好きだよね。まあゴールを決めることで悪いことは一つもないけど」と苦笑いを浮かべるが、これまでの鍛錬の成果が詰まった一撃だった。
プロ入り17年目の中村が初めてJ1でゴールを奪ったのは05年8月24日の横浜M戦。それから4937日。来る日も試行錯誤を重ね、ボールを蹴り続けてきた。だからこそ、蹴った瞬間ではなく、“置いた瞬間”に分かる。「決まる時にはよくある。壁の雰囲気、GKの雰囲気。蓄積、積み重ねです」。ゴール後は、プロレス界のスーパースター、中邑真輔氏の「イヤァオ」を拝借したゴールパフォーマンスを見せた。
それでも追いつかれてドロー。今季の初勝利は再びお預けとなったが「この2試合で(相手が)なりふり構わないというか、名のあるクラブでも、勝ち点を取らせないように来る」と実感。そして「そこまでリスペクトしてくれるのは、去年とおととしの結果から。でもそれを上回れないようなら、3連覇には到底、届かない」と決意を新たにした。進化のスピードを速めて、3連覇へと挑む。