久保 輝ラリAデビュー!長友賛辞「ドラえもんみたい」FK譲るも強気な一面
「キリンチャレンジ杯、日本2-0エルサルバドル」(9日、ひとめぼれスタジアム宮城)
日本がエルサルバドルに2-0で快勝した。初招集のFW久保建英(18)=FC東京=は後半途中から出場し、18歳5日で史上2番目の若さで代表デビューを果たした。FIFAランキング26位の日本は同71位で初対戦の相手に対し、前半にFW永井謙佑(30)=FC東京=が代表初ゴールを含む2得点を挙げた。日本は招待参加する南米選手権(14日開幕)に向け、11日に開催地ブラジルへ出発。17日に1次リーグC組初戦でチリと対戦する。
日本の未来を担う大器が、ついに代表のピッチに立った。ウオーミングアップ中の18歳にベンチから声が掛かると、それだけで大歓声が起こった。後半22分、背番号27の青いユニホームに身を包み、久保建が国際Aマッチデビューを果たした。
「チャンスをもらえてよかった。めっちゃワーッと聞こえて、ヒシヒシと期待を感じました」と“初陣”を振り返った。18歳5日での出場は市川大祐の17歳322日に次ぐ歴代2位の年少記録。4-2-3-1のトップ下に入った久保建はファーストタッチで堂安にパスを通すと、次のプレーで度肝を抜いた。
初出場から6分後。スタジアムは瞬間、“久保劇場”と化した。大迫勇のパスに抜け出し巧みなタッチで2人をかわすと、迷わず左足を振り抜いた。「シュートは巻こうと思ったんですけど、ちょっと浮き上がらなかった。そこは残念でした」。代表初得点も予感させた強烈な一撃は惜しくもGKに阻まれた。
その堂々たるプレーぶりに、ベンチから見つめた長友も「ドラえもんみたい。引き出しが多くて何でもアイテムを持っている。すごい才能」と、独特の表現で14歳下に賛辞を贈り、ピッチに送り出した森保監督も「特長を生かしてプレーしてくれた。スムーズで彼の持っている賢さが出た」と高評価を与えた。
「似たような感じって訳ではないですけど、持った瞬間、を考えてるか、あの時は分かった」と、中島との巧みなワンツーで好機も演出した。中島が倒されて得た直接FKは譲ったが「俺がもらってたら俺が蹴ってました」と強気な一面ものぞかせた。
「あんまり実感はまだないですけど、これから先大きくなって自慢できることの一つなのかな」と、記念すべき代表デビュー戦をかみしめた。23分間で若き至宝の放った輝きは、あまりにまばゆかった。