メルカリ社長、クラブ強化は「鹿島の方針を遵守したい」 神戸の楽天とは協力志向

 J1鹿島の発行株式61・6%を取得して同クラブの経営権を得ることを発表したネットオークションなどを運営する「メルカリ」の小泉文明社長が30日、都内で鹿島の庄野洋社長、以前の筆頭株主だった日本製鉄の津加宏・執行役員と会見に臨んだ。小泉社長は「鹿島のフィロソフィー(哲学)を大事にしたい」とし、補強、育成など、いわゆるチーム強化の部門については「鹿島の方針を遵守したい」とした。

 本拠地移転などは行われず、ホームはカシマスタジアムで継続される。日本製鉄の津加執行役員は「地域貢献という点でこの理念を大事にしていくというクラブ設立からの理念を確認できたこと」も、メルカリへの株式譲渡の決め手となったという。

 メルカリは現在、決済サービス「メルペイ」に力を入れている。小泉社長は会見でも、「モバイルペイメントに力を入れているが、これはローカルというか日々の生活に近いサービス。これをスポーツのスタジアムに使うことに意味があるのではないかなと(思う)」とし、鹿島という“コンテンツ”を通じての普及にも意欲的だった。

 Jリーグでは、楽天が親会社の神戸がアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャといった大物選手を獲得し、話題になっている。楽天とのライバル関係について、小泉社長は「事業上は競合する部分があるが、Jリーグを盛り上げていく上では重要なパートナー。ヴィッセルとともにどうしたらJリーグがよくなるのか話をしていきたい」とサッカー界では協力していくと語った。

 なお、今回の経営権取得額は約16億円。メルカリが持つ技術力を生かして、クラブ価値を高めていくことが狙いとされている。

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