JFL・奈良クラブ 観客数水増し常態化でおわび J3入会条件への危機感から
サッカーJFLの奈良クラブは7日、ホームゲーム入場者数を水増ししていたとして調査報告を発表し、おわびした。
奈良クは「ホームゲーム入場者数のカウントに関する調査報告」との文書を発表。それによると、11月29日にSNSの投稿で観客席の写真とともに水増しを指摘され、調査を実施したという。
調査の結果、15年度より継続的に行っており「ここに報告させていただくとともに深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
水増しが行われたのは15~19年度のJFLリーグ戦。実数との差異(1試合平均)は15、16年は資料が残っていないとして、17年が498人、18年が444人、19年が567人。
背景として、J3入会基準である年間入場者数3万人を達成するため「なるべく多く見せたいとの気持ちが働き、徐々に水増しすることが常態化していきました」としている。「本年は水増しを止めようと開幕戦に臨みましたが、開幕戦・2試合目と入場者数が伸びず、このままではシーズン早々に年間3万人を達成できないことが確定してしまうとの危機感から、2試合目から水増しが再開され、その後常態化し、シーズン終了まで続きました」と悪習を断ち切ることができなかった。
今後の対策を徹底するとして、処分としては中川政七社長は1年間の報酬全額返上、15~18年当時の矢部次郎代表は1年間の報酬の30パーセント減を科すとした。
JFLもこの報告を受け「リーグとしても管理、指導が不十分であったと思います」と謝罪した。奈良クに対しては「事実関係の確認を更に進め対応して参ります」とした。