引退発表の神戸DF那須 3度のMRI検査受けていた「職業病かな」
今季限りでの現役引退を発表したJ1神戸のDF那須大亮(38)が17日、神戸市内での公開練習後、取材に応じた。
那須は16日に自身の「YouTube」チャンネルで引退発表した際に「数年前からヘディングをした時に脳が揺れる現象があった」ことを明かしていた。この日あらためて「ヘディングした後に二重に見えたり、ふらついたりというのが頻繁に起こるようになった。顎を殴られたような感じ」と説明。17年末に初めてMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けてから、これまで3度の検査を行い異常は発見されなかったというが、「幼少期から数え切れないほどヘディングをやってきたので、職業病かなと思う」と語った。
今年に入ってからは「ほぼ(脳が)揺れていた」といい、「練習中はあまりヘディングをしないようにしていた」と明かした。その一方で「ヘディングは自分の武器なので、その武器を使えないことですごくストレスを抱えていた」と心境を吐露した。
引退を決断したのは、7日に行われたFWビジャの引退セレモニーだった。「自分の中でストンと落ちるものがあった。100%でやれてない自分に気付いた。ここが自分の引き時だなと思った」。
18年間の現役生活を「本当にありがたいサッカー人生だった。18年間もやらせてもらって、全てJ1のチームで、タイトルを取る瞬間にも携われた。全く悔いもなく、今が引き時」と、晴れ晴れとした表情で振り返った。16日にはSNSの急上昇ワードで1位になったといい、「こんなこと一生に一度あるかないかなのでスクショ(スクリーンショット)を撮りました」と笑いを誘った。
今後については「明確なものがある」としたが、「まだ公表するタイミングではないので」と多くは語らなかった。残された現役生活の時間はわずか。21日には天皇杯準決勝の清水戦(ノエスタ)を控える。「チームというのは出ている選手、出ていない選手やたくさんの人の思いや支えがあって一つの形になる。一つになるため自分の立ち位置で最大限できることをやっていく。優勝して終われたら、選手冥利に尽きると思う」と噛みしめるように話した。