青森山田2連覇ならず… 主将・武田PK後の戦いに悔い「守りに入ってしまった」
「全国高校サッカー・決勝、静岡学園3-2青森山田」(13日、埼玉スタジアム)
決勝が行われ、静岡学園(静岡)が3-2で青森山田(青森)を下し、鹿児島実と両校優勝だった74回大会以来、24年ぶり2度目で初の単独優勝を果たした。前半11分に先制されるなど前半だけで2失点したが、0-2の前半ロスタイムに反撃のゴールを決めたDF中谷颯辰(そうしん、3年)の2得点などで逆転した。首都圏開催となった1976年度の第55回大会以降の決勝で、90分間で2点差を引っ繰り返した大逆転勝利は初。
連覇の夢はついえた。浦和入団が内定している青森山田の主将、MF武田英寿(3年)は「2点入れてから守りに入ってしまった」と自ら決めたPKによる追加点後の戦いを悔いた。
今大会無失点で決勝まで勝ち上がった静岡学園から2点を先取しただけに悔やまれる敗戦。前半終了間際に1点を返され「平常心を失った」と黒田剛監督(50)が振り返るように流れを手放した。
後半に失点を重ね、40分にはセットプレーで相手をノーマークにし、ヘディングで逆転を許した。準決勝で決勝点を決めたMF松木玖生(くりゅう、1年)は「自分のマークでした。申し訳ないです」と唇をかんだが、武田は「1年生ながらよくやった」と最後にミスをした後輩を責めなかった。
青森山田の7番は武田だけでなく、郷家(神戸)ら卒業後にプロになった多くの選手が下級生時代につけた出世番号。それを背負う松木は「来年は自分が引っ張りたい」とかなわなかった連覇のリベンジを誓った。