田中美南 INAC神戸に電撃移籍 東京五輪代表入りへMF岩渕とホットライン形成
サッカー女子プレナスなでしこリーグ1部のINAC神戸に女子日本代表「なでしこジャパン」FW田中美南(25)=日テレ=が電撃移籍することが17日、分かった。複数の関係者によると、既にクラブ間合意に達しており、近日中にも正式発表される。なでしこリーグで2年連続最優秀選手(MVP)と4年連続得点王に輝いたストライカーの獲得は、3季連続無冠に終わったINAC神戸にとって覇権奪回への切り札となる。
東京五輪イヤーに大型移籍が実現した。INAC神戸に加入する田中は現在、名実ともになでしこ最高の点取り屋として君臨する。昨季は日テレでリーグ史上初の5連覇に貢献し、2年連続MVPと4年連続得点王(20得点)に輝いた。皇后杯決勝でも日テレを3大会連続優勝に導く決勝ゴールを決めるなど、決定力は群を抜く。13年には18歳でなでしこジャパンに招集され、強豪ドイツ相手に代表デビュー弾も決めた。
国内で圧倒的な実績を誇る田中だが、昨夏の女子W杯フランス大会では無念の代表落選を経験した。19年10月に代表復帰し、同12月のE-1選手権でも3試合2得点と代表での地位を固めつつある。
田中にとって今季は勝負の年になる。INAC神戸には代表でも絶対的存在のMF岩渕が在籍。2人のホットラインが形成されれば田中の代表定着はより強固なものとなる。悲願の東京五輪出場を目指し、慣れ親しんだ環境を離れ、新天地での挑戦を選択した。
INAC神戸は昨季、リーグ戦3位など3季連続無冠に終わった。リーグ戦の総得点28は優勝した日テレの半分以下で、7季ぶりのリーグ優勝へFWの補強は急務だった。今季はクラブ初の外国人監督として前J2京都コーチのエンゲルス氏も招聘(しょうへい)。覇権奪回へ盤石の体制を整えた。