本田圭佑が「必須ではない」と提言のプロ指導者資格 Jリーグ監督はS級が必要
サッカーの本田圭佑(ボタフォゴ)が13日、自身のツイッターで、「プロの指導者にライセンスは必須ではない。任意にすればいい」と提言した。日本サッカー協会(JFA)は「JFA公認指導者ライセンス」を設定しており、Jリーグの監督に必要な最上級の資格・S級コーチを取得するのは簡単ではない。状況をまとめた。
JFAの公式ウェブサイト内に指導者養成講習会についてのページ(http://www.jfa.jp/coach/official/training.html)が掲載されている。JFA公認指導者ライセンスはキッズリーダー、D級コーチ、C級コーチ、B級コーチ、A級コーチ(ジェネラル、U-15、U-12)、S級コーチと分かれていて、このうちのS級がJリーグのトップチームの監督には必要な資格となっている。本田の言う「プロの指導者」が求められる「ライセンス」とは、このS級があたる。
各ライセンスを習得するには講習会の受講が必要だ。キッズリーダーとD級(子供を中心にしたアマチュアレベル)、C級(指導者の入門)は特に受講資格はない。B級(指導者の全般的基礎固め)はC級、A級ジェネラル(アマチュアトップレベルを対象に質の高い指導)はB級、S級(プロレベル)はA級ジェネラルと、それぞれの資格が必要になる。つまり、どんなに“教え上手”な人や“カリスマ性のある”人も一足飛びにJリーグクラブの監督になることはできない。
一方で、このライセンス制度により、選手の立場とは違う角度から、サッカーの指導法、実技、心構えなどを幅広く習得できる。本田はプロに限って必須でなくするべきとしており、ライセンス制度そのものは否定していない。また、海外で同等の資格(UEFA Proライセンス、AFC Proライセンスなど)を取得している人は、Jクラブの監督になれる。
こうした状況から、有力選手でも現役引退後すぐにJリーグの監督になるのは難しい。2020年3月に、J3沼津で選手登録している元日本代表FW中山雅史のS級ライセンス取得が発表されたが、長期の研修に参加する必要があり、第一線で現役選手として活動し続けながらS級ライセンスまで取得することは困難だ。