Ｊ１神戸の元日本代表ＤＦ酒井高徳（２９）が２７日、オンラインを通じて報道陣の取材に応じ、リーグ戦の再開に向けて「少しでも早く試合が始まって、元気のなかった日本や世界中のみんなにサッカーで恩返しがしたい」と思いを語った。

　酒井は３月３０日にＪリーグ選手として初めて新型コロナウイルス感染が確認され、兵庫県内の医療機関に入院。４月２５日に２度のＰＣＲ検査で陰性判定となり退院していた。取材に応じるのは退院後初めてとなる。

　入院生活について、家族の存在が「非常に支えになった」と振り返り、「感染リスクがある中で治療にあたってくれた医療関係者やいろんな方々に感謝の気持ちしかない」と頭を下げた。

　神戸は緊急事態宣言の解除を受け、２５日から選手、スタッフを複数のグループに分けて練習を再開し、酒井も参加している。心肺機能や筋力の低下といった「コンディションの違いは感じる」としたが、「健康で病院を出られたことが自分にとって一番幸せなこと」と語り、ピッチに戻れた喜びをかみしめた。

　中断が続いている公式戦は再開が近付きつつある。「再開に向けての不安はみんなと変わらない。抗体について話題になっているが、感染者で再陽性になる方がいるという情報もあるので、自分も全く安心できる状態ではない」と素直な心境を明かしつつも、「僕らサッカー選手はピッチの上で一番輝くと思う。選手は再開が実現できるように日々をしっかり過ごさないといけない。一人一人の行動が問われると思うので、今まで以上に気を張ってやらなきゃいけない。コンディションを意識して、しっかり休む、食べる、寝るという当たり前の生活習慣を徹底していきたい」と真剣な表情で訴えかけた。