サッカー女子W杯招致から撤退 田嶋会長「招致活動は全て無駄ではなかった」

 日本サッカー協会が22日、臨時理事会を行い、開催国として立候補していた2023年女子ワールドカップ(W杯)の招致から撤退すると発表した。

 田嶋幸三会長は撤退を受けてのコメント文の中で、「新型コロナウイルスの影響により東京五輪が1年延期になったことで、女子サッカー最高峰を決める2つの大会が、短期間に同じ国で開催されることに対する抵抗感が強まった」と断念に至った理由を説明した。また、ブラジルが8日に入札を取り下げたことで南米サッカー連盟の票の一本化につながった。「すでにASEANサッカー連盟がオーストラリア・ニュージーランドへの支持を表明している」とし、より多くの国で大規模大会開催が可能となる共同開催が近年の世界のトレンドになりつつあることも挙げた。

 10日には、国際サッカー連盟(FIFA)が誘致を表明している3つの候補地の評価報告書を発表し、日本はオーストラリア・ニュージーランド共催案に次ぐ2番目の評価だった。コロンビアが3番目となっていた。

 会見では、田嶋会長は「この決断が女子サッカーの発展を妨げるものではない。東京五輪へ集中できる」と話した。21年秋には、日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の開幕も決まり、期待も高まっていただけに苦渋の決断となった。

 極力予算を抑えて活動を行い、トータルで約7000万円の招致費用をかけていた。「招致活動は全て無駄ではなかった。次につながるようにするためにも、この段階で手を下ろした」と振り返った。

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