J初のクラスター発生 鳥栖・竹原社長「どこのクラブで起こってもおかしくない」
Jリーグで初めてのクラスター(感染者集団)が発生した。J1鳥栖は12日、オンラインでの記者会見を開き、新型コロナウイルスのPCR検査でトップチームの選手6人、トップチームのスタッフ3人の計9人の陽性が判明したと発表した。9人の氏名については公表しないとした。
11日に感染が公表された金明輝監督(39)を含め、感染者は計10人に達し、竹原稔社長は「クラスターを起こしたと認識している。結果から見ると起こるべくして起こってしまった」と謝罪した。保健所から2週間の活動自粛を求められたといい、25日を目途に当面の間、チームの活動を停止する考えを明かした。陰性の選手、スタッフで練習を行うことも禁じ、自宅待機を命じた。
15日にはホームG大阪戦を控えており、19日にアウェー仙台戦、23日にホーム札幌戦も予定されている。竹原社長は会見の冒頭、25日までの活動自粛を表明。少なくとも3試合が開催不可能となるが、直後に開催可否については「Jリーグとの協議になる」とし、活動停止期間も「目安」として発言を訂正した。ただ、行政側の要請に従えば、試合中止となる公算は大きい。
竹原社長は「どこのクラブで起こってもおかしくない」と語った。感染については不可抗力かもしれないが、金監督が「違和感」を覚えながら8日の鹿島戦の指揮を執り、9日夜に38度の熱を出したが、10日朝に平熱に戻ったためクラブに報告せず練習に参加したことなど、一連の行動は感染拡大防止に最善を尽くしたとは言いがたい。Jリーグの藤村特命担当部長は「活動を控えるか、最後はセルフジャッジになる」と自己申告による感染防止策の難しさを強調した。Jリーグと各クラブがリーグ運営に細心の注意を払ってきたが、J初のクラスター発生という事実はあまりに重いものとなった。