矛の川崎か、盾のC大阪か J1首位・2位対決は三笘、旗手、西川らルーキーにも注目
今季のJ1前半戦屈指の好カードが19日に等々力陸上競技場で行われる。同一シーズンではJ1最長に並ぶ9連勝中で、10節終了時点で最も得点が多い首位の川崎(29得点)と、同最も失点が少ない2位・C大阪(6失点)。“矛”と“盾”の対決はどのような展開になるか。
【驚異の選手層を持つ川崎】
川崎は基本的に4-3-3。攻撃時には、両サイドに起点をつくり守備選手をおびき寄せてから、ゴール前や遠いサイドで仕留めるといった攻撃が一つの形になっている。ここ2試合、リーグ戦は出場していないが、主に右FWに入ってきた家長は2、3人に囲まれてもボールをさばき切る持ち前の技術で、チームメートへのマークを分散させたり、スペースを作り出したりする役割を担っている。
さらに他のチームにとっては驚異的なのが交代選手の層の厚さだ。17年の得点王&MVPのFW小林が“試合途中から”出てくるケースが、リーグ戦再開後で3試合(先発は3試合)あるが、その3試合で2得点を挙げ、今季はチーム得点王の6得点。自分がいるポジションで勝負できるFWレアンドロダミアンと対照的に、小林は相手が守備をしにくいポジションをつく勝負ができる選手。攻撃のバリエーションはおのずと豊富になる。
さらに今季加入した大卒ルーキーの三笘と旗手が高い突破力で、疲労がたまる終盤にチャンスをつくっている。三笘はすでにリーグ戦で4得点を挙げており、ルヴァン杯を合わせると公式戦4試合連続ゴール中だ。また、忘れてはならないのは、川崎の今季の失点は「7」と3番目に少なく(C大阪と広島が6失点)攻守ともにすきがない。
【守備は鉄壁のC大阪、西川にも期待】
対するC大阪は手堅い試合を続けている。10試合中5試合で無失点。1失点が4試合。唯一の黒星が2失点した第4節の名古屋戦だった。
GKキム・ジンヒョンは、第9節のFC東京戦で0-0で迎えた試合終了間際にレアンドロのヘッドに神がかり的なセーブを見せ、敗戦の危機を救った。センターバックはヨニッチが全試合フル出場。瀬古とコンビを組んだ6試合では合計2失点と安定している。
その前の守備的MFもデサバトと藤田のコンビが中央を固めており、ゴール前を崩すのは難しい。FWのブルーノメンデス、奧埜ともに守備の意識は高く、チーム一丸で守るという姿勢は徹底されている。
反面、勝つための1点をどうとるかが重要になる。時間とスペースをつくり、決定的なパスを出せるチームの軸・清武は前節の柏戦で負傷交代。中3日での川崎戦の出場は微妙だ。
期待したいのは、負傷のため出遅れていた今季加入の18歳、西川だ。柏戦では柿谷からの浮き球パスを冷静にループシュートでゴールに蹴り込み、プロ初得点をマークした。川崎が0-2まで追い詰められた仙台戦は、縦への素早い攻撃を受けて失点したもの。同様の展開は、C大阪にとって一つの攻撃パターンになるだろう。