【福西崇史 熱血EYE】印象的だった鎌田のノビノビプレー
「国際親善試合、日本1-0コートジボワール」(13日、ユトレヒト)
日本は後半ロスタイムにDF植田が決勝点をたたき込み、コートジボワールを1-0で下した。2020年初の代表活動となったオランダ遠征は1勝1分けで終了。
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得点はセットプレーからでラッキーな面もあるが、何より勝てたことが大きい。試合を通じて印象的だったのは鎌田のノビノビとしたプレー。屈強な相手守備の狭いエリアをするすると抜けるドリブルやキープ力は、南野とは違う良さがある。
カメルーン戦よりチーム全体が攻撃的にプレーできていたのも、鎌田の中央でのキープがあったからこそ。ボランチの柴崎が前線に攻め上がる回数が多くなって攻撃に厚みが出たし、サイドからの崩しも増やせた。今後は鎌田と南野の2シャドーも見てみたいと思ったし、伊東と堂安を右サイドで組み合わせるのも面白い。いろんな期待が膨らんだ。
一方で攻撃のリズムは単調で、ワンタッチのプレーは少なく、コンビネーションの精度も物足りない。特に前半の立ち上がりはトラップやパスのミス、判断の遅れが目立った。久保もクラブでの出場機会が少ないからか、フィットするまで時間がかかった。
そのあたりが代表のレギュラー選手との違いだ。例えば南野は途中出場直後からチャンスに絡むプレーができるのはさすが。新しい選手は限られた代表戦の機会、短い合宿で、試合の最初から連動した攻撃ができるよう高めるしかない。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)