DF植田 劇的ロスタイムV弾!待望の代表初ゴール「うれしい」 柴崎と以心伝心プレー
「国際親善試合、日本1-0コートジボワール」(13日、ユトレヒト)
日本は後半ロスタイムにDF植田直通(25)=セルクル・ブリュージュ=が決勝点をたたき込み、コートジボワールを1-0で下した。2020年初の代表活動となったオランダ遠征は1勝1分けで終了。
故郷熊本に届ける一撃になった。後半43分に送り出されたDF植田は3分後、MF柴崎のFKを頭で合わせた。待望の代表初ゴールが劇的な決勝点となり「うれしいという一言」と実感を込めた。かつてJ1鹿島でプレーした2人の以心伝心のセットプレーだった。
記念のゴールは「毎日やってきた」というヘディングから生まれた。その言葉は誇張ではない。原点は熊本・大津高だ。母校のグラウンドには、ひもでボールをつるした通称“ヘディングマシン”がある。高く跳び上がり、頭でボールを叩く。単調な練習を一心不乱に繰り返した。雨が降っても雷が鳴っても植田はやめようとしなかった。ついにある日、ひもが切れたという。
植田の恩師で大津高総監督を務める平岡和徳氏(55)は、日本時間深夜にもかかわらず画面越しに教え子を見守った。歓喜の雄たけびを上げる植田の姿に「やはり努力は裏切らない」とうなずいた。
熊本は16年に大地震、7月には豪雨災害にも襲われた。植田は「僕は熊本を背負って戦っている。自分のプレーで勇気や希望を与えたい」と故郷への思いをにじませた。平岡氏は「利他の精神がある。積み上げたものが言葉で表現されている」と成長に目を細めた。
DF吉田、冨安の牙城は堅固で出場時間は限られているが「その時間に全てを注ぎたい。(2人に)割って入らないといけない」と自覚を示した。さらなる成長を追い求め「日々精進」を続ける。