森保ジャパン 物足りなさが目立つフィニッシュワーク
「国際親善試合、日本1-0パナマ」(13日、グラーツ)
日本は後半16分にFW南野拓実(25)=リバプール=が自ら得たPKを決め、パナマを1-0で下した。南野にとっては背番号「10」での代表初ゴールとなった。完封勝利となったが、追加点は奪えず。流れの中から得点を奪うという課題は、解決策を探している段階だ。17日(日本時間18日)のメキシコ戦に向けて、サッカー担当キャップの松落大樹記者が攻撃陣の現状を探った。
3試合連続完封で2連勝。先月の遠征を含めた欧州での堅調な結果の裏で、森保ジャパンには“産みの苦しみ”という課題が横たわり続けている。
10月のオランダ遠征と同様に物足りなさが目立つのが、フィニッシュワーク。得点は南野のPKによる1得点のみ。相手GKが退場した後半33分以降は数的有利も流れの中からのゴールは20年3試合目も生まれない。森保監督も「2点目、3点目を決めて試合を決められるようにしないといけない」と渋い表情を見せた。
ただ、あの手この手と策を打っている。パナマ戦はスタートから3バックの布陣を採用。最前線に南野を配置し、先月は出番のなかった三好を先発起用、昨年11月以来の代表復帰となった浅野を途中起用した。指揮官は代表活動を通じて「ベース部分の浸透」を目指すと語るが、その一方でピッチ上の顔ぶれや配置の組み合わせを積極的に試している。
後半から入った遠藤が攻守両面に奮迅した影響もあり、立ち上がりの不安定さは徐々に解消。先月からの継続課題であるクロスやラストパス、シュートの精度は相変わらず改善されていないが前線に人数をかけた攻撃は増えた。数的有利であることを差し引いても鎌田の急所を狙うスルーパスには可能性も感じさせた。
ゴールを奪うという究極の課題は一朝一夕では解決しない。ただ来年3月にW杯アジア2次予選が再開されれば、まとまった活動期間がないまま最終予選へと向かうのも事実。最後のテストマッチとなるメキシコ戦で、一定の成果を得られるかに注目したい。(デイリースポーツサッカー担当・松落大樹)