J1川崎 史上最速V目前まさか敗戦も…22日J1史上初の当日試合なしVなるか

 前半、ゴール前で野村(手前)を倒してレッドカードとなり、PKを献上した川崎・谷口(撮影・高部洋祐)
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 「明治安田生命J1、大分1-0川崎」(21日、昭和電工ドーム大分)

 明治安田生命J1リーグで首位を独走する川崎は勝てば優勝が決まる大分戦に0-1で敗れ、リーグ制覇を持ち越した。22日にG大阪が浦和に引き分けるか負けると、2年ぶり3度目の優勝が決定する。前半にDF谷口彰悟(29)が一発退場となる反則でPKを与え、1点を失った。

 双肩にのしかかったのは重圧か、それとも気負いか。敗戦を告げる笛の音がスタジアムを包む天井に響くと、ピッチ上の10人は一様にうつむいた。「期待に応えられずに悔しくて、残念」。鬼木監督が言葉を絞り出した。

 痛恨の一瞬だった。前半34分、浮き球でDFラインの背後をつかれると、DF谷口が思わず右手で相手MF野村の腕をつかみ、倒した。PK献上だけではなく、得点機会阻止で一発退場。熊本出身で、地元九州での優勝決定チャンスに「そこで(シャーレを)掲げられたら最高」と話していた主将にとってはあまりに残酷だった。

 結果的には決勝点を与えたプレーだったが、“異変”は開始直後から存在していた。MF大島が「そこに至るまでの過程が良くなかったからこそ退場者が出た」と指摘した通り、主導権を握られた。前半はシュートわずか2本の防戦一方で、GK鄭成龍の好守がなければ、もっと早くに追い込まれていた。

 前戦から中2日の川崎に対して、大分は中17日。それでも先制を許した後は、吹っ切れたように反撃。1人少ないながらもMF三笘、FW旗手といった攻撃的選手を投入するだけではなく、布陣も細かく変更。鬼木監督も終了間際のCKでGKにも攻撃参加を指示するなど、最後までゴールに迫るも、高い集中力を発揮し続けた相手を崩せなかった。

 悔しい敗戦でVは持ち越し。だが22日にG大阪が引き分け以下でも、史上最速優勝が決まる。鬼木監督は「次の相手として見ている」と25日の直接対決をにらむが…。試合日以外に優勝が決まるJ1史上初のケースとなるか、注目が集まる。

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