J1川崎・庄子GM「お金かけず強く」 MF三笘DF谷口ら生え抜き躍動!
「明治安田生命J1、川崎5-0G大阪」(25日、川崎市等々力陸上競技場)
川崎が2位G大阪を5-0で下し、2年ぶり3度目のリーグ制覇を決めた。4試合を残しての優勝は、2010年の名古屋の3試合を上回る最速。年間勝ち点75、勝利数24も34試合制の05年以降(2ステージの15、16年を含む)で最多となった。今季は、延長を除く同一シーズンのJ1新記録となる12連勝をマークするなど、第4節から一度も首位の座を譲ることなく独走。その強さを見せつける試合で優勝を決めた。
新たな常勝軍団と言える安定感のある強さ。長きにわたって強化に携わる庄子GMは、チーム編成の方針を「今はこれくらいのチームだけど、考え方のベースはお金かけずに強くする。そこが一番」と語る。ブラジル代表経験のFWレアンドロダミアンや、MF家長といった大型補強は少なめ。MF中村を筆頭にMF大島、FW小林、DF谷口と中軸に生え抜きがそろう。
出発点は苦い経験からだった。00年に16位でJ2へと降格。翌01年から「上がったら落ちないようなチームを作ろうという流れができた」(庄子GM)。外国籍選手や大型補強に頼り切ることはない。「できるだけチームの強さを持続する意味でも、育成させながらなじませていく。この積み上げだと思う」
長期的な育成という観点で、新人獲得は特徴的な要素の一つだ。過去5年の新人選手の内訳は13人中8人が大卒選手。新人獲得の基準はチーム戦術への適合に加え、基礎技術の高さや性格面なども考慮。大卒選手の長所を問われ「4年間、大学で勉強しながら、自炊もするとか生活面で高卒よりは大人になっているかな」と挙げた。
海外挑戦を引き留める土壌があるわけではない。ただ前述の中軸以外もDF車屋、MF長谷川と大卒で活躍する選手は多く、MF脇坂とMF三笘は下部組織から大学経由でプロ入り。FW旗手も含めて脈々と系譜は続く。
「うちだってスタートしたころは目標がJ1昇格、次は定着、上位進出、優勝で、今度はACLってだんだん上がっていく。今は複数の優勝を狙うところまで来ている」と庄子GM。見据えるは次なるステップ。クラブ史上初の2冠を目指し、川崎は突き進む。