なでしこ高倉監督 W杯優勝から10年 世代融合で「綺麗な丸に」【インタビュー2】
サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)を率いる高倉麻子監督(52)がインタビューに応じた。21年は、なでしこが世界一になった11年W杯からちょうど10年の節目となる年だ。この期間について高倉監督は「確かに11年以降のリオ(五輪)含め、なかなか思ったように結果が出せない時間が続いている」と本戦出場を逃した16年のリオデジャネイロ五輪など安定して成績を残せていない厳しい現実を受け止めている。
昨年1月にアメリカで行われたシービリーブスカップでも3連敗に終わった。それでも、指揮官は悲観することはない。
「育成では地道に頑張ってきた。日本女子サッカー全体として、育成から始まってその未来に向かって少しずつでも積み上げをしていく強い想いがある。今すごく光が見えてきている状態。前から光は見えているが、それが大きな強い光になってきている」と希望を語った。
14年にはU17、18年にはU20がW杯で優勝と育成年代の確かな成長に手応えを得ている。
東京五輪本大会まで月1度は強化合宿を行う。「メンバーについて半分以上は固まっている」としながらも、「日本の戦い方は大きくは変わらないが、メンバーのところでは絵が変わってくるのかな」と活動再開した10、11月の合宿では初招集の若手も集め、延期の1年を追い風にメンバーの幅を広げている。
そして、幅を広げながら、現状のチームのまとまりは上々だと話す。「選手が元気でプレーも前向きで、ようやくチームになって来た。でこぼこしていたものが丸い球体になって元気に上に向かって動き出した。融合するところは融合できて綺麗な丸になってぴかぴかしている感じ」とチームを表現した。
本番まで残された時間は多くない。高倉監督は「勇気ある決断、行動、抜てき含め大胆に常にチャレンジ」と信念は曲げずに突き進む。
「11年(W杯優勝の盛り上がり)に追いつく、超えるという意味では、その舞台を用意してもらっている。それを選手と確認しながら、ぜひもう1度波をこっちに持ってこられたらいいと思う」。11年の盛り上がりを21年の東京で超えてみせる。