なでしこ高倉麻子監督 東京で金「取れるとしか思っていない」【インタビュー1】
サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)を率いる高倉麻子監督(52)がインタビューに応じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期を経て迎える2021年の東京五輪イヤー。史上初の金メダル獲得へ思いを語った。
コロナ禍の暗い雰囲気を感じさせない元気な表情だった。1月のシービリーブスカップ以来となる10、11月の活動再開のキャンプには強い思いがにんじんでいた。「サッカーをやれる喜び、その熱を感じる合宿になった。明らかに選手の目の色、雰囲気がまた五輪に向かう強い思いだとグラウンド上で感じた」。選手の五輪へのモチベーションは失われていないことを確認した。
その上で「未来に向かって力強く進んでいけるのではないかと感じている。来年、必ず五輪があることを信じて、一つ一つこれまで通りやってきたことを積み上げ、全員で勝利に向かって進んでいけたらいいと思う」と、東京五輪へ前向きにリスタートを切っている。
自粛期間にはできる限りのことをした。サッカーのない日常の中でも指導者として貪欲に自身の成長も求めた。「家にいる時間が多くある中で自分自身がサッカーを見たり、本を読んだりする時間が多くなった。特に海外のサッカーの指導者とかチームとかの成り立ちや歴史を改めて勉強した。それで自分の中に入ってきたものはいろいろとある」と振り返った。
「蓄えたものは本当に少しかもしれないが、それをどのように選手や練習、チーム作りに出していくかというところは、日々チームを見ながらになる。私自身が成長しなければいけないと常に考えながらいろんなところにアンテナをはっているつもりで、また、それをよりよい形で選手に日本の女子サッカーに落としていけるように変わらず、また走り出したと思っている」。常に女子サッカー全体のことを念頭に置いている。
コロナ禍で1年延期となった東京五輪。だからこそ伝えたい思いもある。「日本で五輪を開催できることに喜びを、運命を感じながらやりたい。普段サッカーに、全く興味のない人でもチャンネルをつけたときに、なでしこや男子のサッカーが必死に戦っている姿から何かを伝えることができればうれしい」。日本を勇気づけるためにも熱く戦い抜く。
当然、東京五輪での目標が変わることはない。「メダルを取りたい気持ちは同じく持っている。遠慮深く『メダル』と言っているが、ひそかに金を狙っている。取れるとしか思っていない」と自信をのぞかせた。