J1広島・東俊希 今季は攻撃でも魅せる「目標は15点に関与すること」

 左足の素晴らしいキックは持っているが、強烈なスピードやドリブルを持っているわけではない。だが、J1広島の城福浩監督はMF東俊希という20歳の若者を信頼する。

 それは数字にも如実に表れた。昨年は33試合1779分出場。第18節の大分戦(9月23日)以降は左ワイドのポジションを奪い、フルタイム出場もトータルで10試合を数えた。

 「フィジカルが強くて運動量もあって、左足のキックも持っている。そして守備での成長も大きいですね。彼が守備でスイッチを入れたことで得点できたシーンもいくつかあった。彼の守備で破綻することはほとんどないですね」(城福監督)

 ここ数年、広島の左ワイドは柏好文の独壇場だったが、昨年の彼は負傷がち。ワイドの戦力が厳しくなった時、東がシャドーからワイドに主戦場を移した。元々は攻撃的な選手だが、試合に出るために必死で守備を磨いた。

 走ることは問題ない。闘うこともできている。あとはスキル。例えば昨年、素晴らしいドリブルで注目を浴びた坂元達裕(C大阪)と対峙した時のことだ。

 「まず、ファーストプレーでしっかりと潰しにかかること。そして、相手が嫌になるほど密着して、スペースを与えないようにしたい」

 その思いを実行に移せる。それがスキルであり、昨年の東がもっとも成長した部分だと言っていい。他にも横浜Mのエリキや名古屋のマテウスといったJを代表するウイングを抑えた経験が若者に守備への自信を与えた。

 ただ、本来の東はもっと攻撃で魅せられる選手。クロスの質やシュートも高いレベルの才能を持っている。

 「15得点に関与すること。それが今季の目標です。これが達成できればチームも上にいけると思っています」

 昨年の1得点3アシストからこの目標を達成するには、相当の飛躍を遂げる必要がある。だが、ルーキー時代のACLゴールも、昨年のレギュラー奪取も、予想する人は誰もいなかった。そして結果を出して周りを驚かせる。東俊希は、そういう星を持っているのである。(紫熊倶楽部・中野和也)

 東俊希(ひがし・しゅんき)2000年7月28日生まれ。愛媛県大洲市出身。ポジションはMF。身長180センチ、体重69キロ。背番号24。広島ユースに在籍していた18年にトップチームに2種登録され、同年8月の天皇杯・名古屋戦で公式戦デビュー。同年9月にプロ契約を結ぶ。昨季は33試合に出場し、10月3日の鳥栖戦でJリーグ初得点を記録。

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