J1川崎 異色の経歴、社会人経てJ2福岡から復帰のFW遠野「4冠に貢献したい」
昨季J1と天皇杯の2冠を達成した川崎は1日、沖縄県内でキャンプを開始し、J2福岡への期限付き移籍から復帰したFW遠野大弥(21)がオンライン取材に応じた。
異色の経歴を歩んだ。静岡県出身の遠野は2017年に藤枝明誠高(静岡)から日本フットボールリーグ(JFL)のホンダFCに加入。当初は「プロに行く気はなく、まずチームで頑張りたい」と、社員として働きながらアマ最強クラブで研さんを積んだ。
C大阪などで活躍し、昨季限りで引退したFW古橋達弥氏(40)を「尊敬している」と慕っている。「もっと上でやれるよ」と言葉をかけられ、毎日のシュート練習では技術の高さに触れて「このような選手になりたい」と憧れを抱いた。
転機は3年目に訪れた。19年度の天皇杯でベスト8入りの原動力となり、プロの扉を開いた。20年に川崎に完全移籍すると同時に福岡へ期限付き移籍した。「(川崎に)帰って来るという強い気持ちでやっていた」と41試合でチーム最多の11得点を挙げ、福岡のJ1昇格に大きく貢献。ついに今季から日本最強クラブの一員に名を連ねた。
質の高い川崎の練習を通じて「日々成長している手応えはある。『止める蹴る』やパス、動きの質を学びたい」と充実感を漂わせた。前線の選手層は厚いが、今季はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も控えており、出場機会が与えられる可能性は高い。「4冠に向けてチームに貢献したい」と力強く意気込んだ。叩き上げのストライカーが新たな“遠野物語”を紡ぐ。