神戸サンペール1型糖尿病「公表して誰かをサポートできれば」阪神岩田とウェブ交流会
阪神・岩田稔投手(37)とJ1神戸MFセルジ・サンペール(26)が8日、「1型糖尿病アスリートWeb交流会」を実施した。NPO法人「日本IDDMネットワーク」と阪神、神戸が連携。同じ1型糖尿病を患う岩田とサンペールのオンライン上での交流会が実現した。
「1型糖尿病」とは生活習慣に関係なく起こる自己免疫疾患。日本での年間発症率は10万人に2人程度で子どもから成人まで発症年齢はさまざまで、一生インスリンを補充し続けなければならない。
岩田は大阪桐蔭高2年時の17歳で発症。「最初は大丈夫かなという思いでしたね。一生ベッドの上で生活しないといけないのかななどマイナスに考えた自分がいました。先生、家族と話す中で、大丈夫やなと前向きな気持ちになれました」。09年からは1勝につき10万円の寄付活動を始め、17年には1型糖尿病根治のために「岩田稔基金」も設立した。
サンペールはバルセロナユースに所属していた18歳時に発症した。「バルセロナのトップチームでデビューする寸前だった。なぜ自分がかかったのかも分からなかった。ドクターからはサッカーできないかもしれないと言われ、泣いて沈んだ日々を過ごした」と当時を振り返る。
交流会にはビデオ会議システム「Zoom」を通じて1型糖尿病患者も参加。野球好きのサッカー少年からは病気を公表した理由を問われた。岩田、サンペールとも発症当時はトイレに行って隠れてインスリンを打っていたが、公表するに至る気持ちの変化など丁寧に答えた。サンペールは発症時、1型糖尿病を患ってサッカー選手になった選手はいるのかなど情報を調べたが、なかなか見つからなかったという。「だからプロになった後はそれを公表して誰かをサポートできれば」と説明した。
両選手から勇気をもらった少年は周囲に自身の1型糖尿病を公表するという。「ありがとうございます。僕も頑張りますので、お二人も頑張ってください」と感謝を伝えた。