Ｊ１浦和から完全移籍したＪ３岐阜のＭＦ柏木陽介（３３）が１７日、岐阜市内での練習後に浦和を退団後初めて取材に応じ、決意を語った。

　「本当に中途半端な気持ちで来ていない。どんどん昇格させるためにきた。みなさんとともに岐阜県を盛り上げていけたら。受け入れていただきありがとうございます」

　浦和で柏木は沖縄キャンプ中の２月４日にＦＷ杉本健勇（２８）とともに飲食店を貸し切って外食。新型コロナウイルス感染防止策として、外食を禁止していたクラブの規律に違反したため、罰金と厳重注意処分を受けた。昨秋にも規律違反を犯しており、クラブはチームへの合流を認めず、同１６日には移籍先を探した上で退団し、岐阜に加入した。

　「最初は反省、反省、反省という日々が２週間ほど続いた。そこからいろんな人にやってしまったことは変えられないと、前を向く努力をしていたという状況の１カ月くらいでした。すごく反省をする日々がほとんどでした。ただ、サッカーをしたいという気持ちと家族に対しても、子どもにもサッカーをしている姿を見せたかった」

　岐阜は２０１９年にＪ２最下位でＪ３に降格。２０年は６位に終わり、１年での復帰がかなわなかった。今季からＦＣ東京コーチなどを務めた安間貴義氏（５１）を新監督に迎え、Ｊ２復帰を目指す。１４日に開幕戦を戦い八戸と０－０だった。柏木は「僕はＪ１まで考えてここにきた。それをプレー、態度で示したい。浦和、広島で培った経験、サッカーをする賢さは持っていると思うので、みんなと共有しながら一緒に高めていきたい。まずは走って戦う」と意気込んだ。

　１３日からチーム練習に合流しており、この日も全体練習をこなした。早ければ２１日の藤枝戦（藤枝サ）での岐阜デビューの可能性もある。

　◆柏木陽介（かしわぎ・ようすけ）　１９８７年１２月１５日生まれ。３３歳。兵庫県出身。広島の下部組織から２００６年にトップチーム昇格。１０年に浦和へ完全移籍した。１６年にベストイレブン、１７年にはアジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）ＭＶＰ獲得。１８、１９年には主将を務めた。Ｊ１通算３９２試合５６得点。昨季は出場９試合。２０１０年に日本代表に初選出。国際Ａマッチ通算１１試合無得点。妻は元ＴＢＳの佐藤渚アナウンサー。１７６センチ、７３キロ。利き足は左。ニックネームは「浦和の太陽」。