【福西崇史熱血EYE】日本の層の厚さ、今後の楽しみが感じられた一戦

 「国際親善試合、日本3-0韓国」(25日、日産スタジアム)

 日本が韓国に3-0で快勝した。新型コロナウイルスの防疫措置を徹底し、国内では1年4カ月ぶりに実施された代表戦を白星で飾った。前半に代表デビュー戦のDF山根視来(27)=川崎=とMF鎌田大地(24)=E・フランクフルト=のゴールで2点を先行。相手に反撃を許さず、試合終盤にも加点した。対戦成績は日本の14勝23分け40敗。日韓戦は2019年12月の東アジアE-1選手権以来、ホームでの勝利は2011年8月のキリンチャレンジカップ以来となった。

  ◇  ◇

 快勝だった。日本はバランスや1対1、すべてで上回っていたのでピンチらしいピンチもなかった。相手には失礼だが、いい練習ができた、と言えるほどの内容だった。

 中でも新しい選手たちが力を出せた。山根は結果を残しただけでなく、積極的に攻撃に参加する自分の良さを発揮できた。ボールを持っている周囲の選手が徐々にプレースタイルを理解してくれて、最初は高い位置でも外側だけだったのが、次第に中央へポジションを移せるようになった。得点の場面は攻撃参加から最前線にとどまり、あの位置から決めきったのは大きい。

 ボランチの守田はまず守備に注目したが、遠藤とうまくバランスを取って2人が良さを生かし合っていた。その結果、韓国の攻撃陣は決定的なラストパスを出せなかった。加えていいタイミングで攻め上がり、積極的にミドルシュートを打った点も評価できる。

 昨年の日本代表は、コロナ禍のため欧州での欧州クラブ所属選手による試合しか組めなかった。それに出られなかった国内組を中心とした選手たちに今回、自分の良さをアピールする姿勢があった。

 遠藤とコンビを組むのは守田なのか柴崎なのか。スピードがあるのは伊東だけでない。浅野も古橋もいる。サイドバックにもいい選手がいる。そんな層の厚さ、今後の楽しみが感じられた。次のW杯予選、モンゴル戦は当然のこと、その先にある世界の強豪国との戦いを見据えても期待がふくらんだ。

 一つ付け加えるなら、いわゆる“日韓戦”としてこの試合を見ると期待外れだったかもしれない。激しさのないコンタクトにも拍子抜けしたし、日本にリードされたら、どんな形でも追いつき逆転しようとするのがこれまでの韓国だった。例えば前線に大きな選手を入れて周りにスピードのある選手を置き、しゃにむに攻めてくるのかと思ったがそうではなかった。最後までパスをつないで崩そうするスタイルを貫いた。それが今のベント監督の方針なのだろう。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)

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