J1広島 緊急事態宣言下でも“サンフレ・ファミリー”とともに戦う
4月25日、東京都、大阪府、京都府、兵庫県で発令された3度目の緊急事態宣言は、5月16日から広島県もその対象となった。飲食店だけでなく大型商業施設も軒並み休業に追い込まれ、街のにぎわいも消えた。
だが、そういう状況の中でプロ野球とJリーグは観客動員に上限が設定されているとはいえ、有観客試合が認められた。昨年、感染拡大防止のために専門家らと強力なチームをつくって取り組んだこと。様々な制限やルールを設けながらスタッフやファンが節度を守り、感染対策に最善を尽くしたこと。これら安全・安心への真摯(しんし)な取り組みが「スタジアムでのクラスター発生0」という実績となり、今回の措置につながった。
緊急事態宣言下でも有観客試合ができることになったことで、J1広島の城福浩監督も安堵の表情を浮かべた。
「上限があるとはいえ、サンフレッチェ・ファミリーの方々に来ていただいて試合できるのはありがたい。Jリーグがしっかりと選手、スタッフ、ファミリーの方々を守るルールをつくってやってきた成果だと思っています」
このコロナ禍でJリーグの取材環境も様変わりした。選手の取材もリモートでの対応がほとんどで、練習も多くのチームが非公開。
しかしサンフレッチェは、感染拡大防止のためにサポーターの練習見学はお断りしているが、報道陣には公開。取材者の体調チェックやソーシャルディスタンスの確保など、感染対策に十分配慮した上で対面での取材を受けいれている。こういう状況でも応援してくれる人々に少しでも「活きた情報」を届けたいというクラブの想いの結実である。
5月26日、緊急事態宣言下の対浦和戦は最大5000人の観客数で開催される。「応援に来ていただけるみなさんと一緒に、スタジアムで(勝利を)喜び合いたい」(城福監督)
17連戦という過酷な日程の中、蓄積疲労は限界。それでも、応援してくれるサンフレッチェ・ファミリーのために、選手たちは闘う。(紫熊倶楽部・中野和也)