J1横浜Mがポステコグルー監督の退任発表 セルティックへ 松永英機氏が暫定後任
J1横浜Mは10日、アンジェ・ポステコグルー監督(55)が退任し、スコットランド1部の名門セルティックの監督に就任することが決定したと発表した。今後はアカデミーダイレクターの松永英機氏(58)が暫定的に指揮を執り、後任監督の選定を進める。
クラブによると、セルティックからの監督就任オファーを受け、監督とクラブの間で協議を重ねた結果、ポステコグルー監督の意志を尊重し、双方合意のもと退任することになったという。懸念されていた欧州でのライセンスの問題もクリアとなり、セルティックも違約金の支払いに応じた。
グラスゴーに本拠地を置くセルティックは、1967年に欧州チャンピオンズカップ(現欧州チャンピオンズリーグ)制覇の経験を持つ名門で、元日本代表MF中村俊輔(現横浜FC)が2005年から4季にわたって活躍した。2月にニール・レノン監督が退任し、ジョン・ケネディ氏が暫定監督に就任していた。今季はリーグ2位で10連覇を逃しており、新監督の招聘を進めていた。
オーストラリア出身のポステコグルー監督は2018年に横浜Mの監督に就任し、19年に15年ぶりのJ1優勝に導いた。昨季は9位に終わったが、今季は16試合を終え、10勝4分け2敗の4位と好位置につけていた。優勝の可能性を残す中での監督退任は異例の事態だが、欧州で無名の指揮官が名門に引き抜かれるという“大栄転”に、横浜Mも交渉成立に尽力し、快く背中を押した形となった。
ポステコグルー監督はクラブを通じて「マリノスファミリーの皆さんへ」と題したコメントを発表した。
「皆さんにお知らせすることがあります。残念なことに、お別れをする時がきました。
横浜F・マリノスの監督になり3年半が経ちますが、新たな挑戦に踏み出すことを決断しました。横浜F・マリノスに関係するすべての人たちに対し、言葉では表すことのできない感謝の気持ちを持っています。
クラブスタッフ、チームスタッフの皆さん、選手たち、そしてこの国で最も情熱的なファン・サポーターの皆さんから、世界中のどの監督もがうらやむような厚いサポートをいただきました。
私が監督に就任した際、横浜F・マリノスを日本中で誰もが話題にするようなチームにするというビジョンをお話ししました。成功をもたらすことはもちろんですが、皆さんがクラブを誇りに思えるようなサッカーを実現したいという想いで
した。
多くの困難があり、その道のりは決して簡単なものではありませんでしたが、我々は特別なことを成し遂げられるということを信じ続けました。多くの特別な瞬間がありましたが、2019シーズンのJリーグ制覇を上回るものはありません。あの日産スタジアムでの最終戦は、いつも私の心の中にあり続けます。ファン・サポーターの皆さんをワクワクさせることができたことも誇りです。妥協を許さずに常に成長を求め、素晴らしいサッカーを見せることができました。選手が日本代表に選出されたことや、夢を追い求め欧州にチャレンジする選手がいたりと、多くのことを成し遂げてきました。
コロナ禍で、ファン・サポーターの皆さんの大歓声をスタジアムで聞けなかったことは寂しかったですが、様々な制限がありながらもチームを応援する気持ちは伝わっていました。私と私の家族を代表して、チームスタッフ、選手、素晴らしいファン・サポーターの皆さんに感謝をお伝えします。ありがとう。
私は離れても、マリノスファミリーの一員ですし、皆さんは常に私と私の家族の中にあり続けます。Forever F.Marinos ボスより」