J1川崎 東京五輪代表・三笘薫が英1部ブライトンに完全移籍 今季はベルギー1部へ
J1川崎は10日、東京五輪代表MF三笘薫(24)がイングランド・プレミアリーグのブライトンに完全移籍すると発表した。ブライトンも同日、三笘の加入を発表。契約期間は2025年6月末までの4年契約となる。
日本代表経験のない三笘は英国の労働許可証を取得できないため、今季はブライトンのオーナーを務めるトニー・ブルーム氏が所有し、今季からベルギー1部に昇格したサンジロワーズに期限付き移籍することになる。サンジロワーズも同日、三笘の期限付き移籍での加入を発表。買い取りオプションは付帯されていない。
三笘はクラブを通じて「このたびブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCに完全移籍することになりました。僕はU-10からフロンターレアカデミーで育ちました。フロンターレはサッカーだけではなく人として成長させてくれたクラブであり、さまざまな思いがありますが、プロサッカー選手として常に向上心とチャレンジの想いを持っているために今回の決断となりました。
大学を経由してプロの世界に入ることができましたが、僕のサッカーに関するほとんどがフロンターレで学んだことです。このクラブには感謝の思いしかありません。アカデミー時代、先輩たちの背中をずっと追いかけていました。Jリーグで活躍するだけでなく、海外のクラブで活躍する方たちもいます。僕も先輩たちに続いて世界の舞台で結果を出すことが、川崎フロンターレというクラブを世界に知ってもらえる、そしてクラブの発展につながると思います。またアカデミーの代表としてそういう姿を見せることが、アカデミーの後輩たちやこれからフロンターレに入りたいと思っている子どもたちに希望を与えられると思っています。
プロになって等々力でプレーして、スタジアムの熱気を肌で感じてすごく高ぶるものがありました。これがプロの世界なんだと実感した記憶があります。トップチームでの約1年半。コロナ禍の影響で、子どものころから見てきた満員の等々力の中で、サポーターの皆さんの大きな声援の中で一緒にプレーすることはできませんでしたが、皆さんにはいつも温かい雰囲気と大きな拍手で後押ししてもらいました。ありがとうございました。
チームメイト、スタッフ、そしてたくさんのサポーターの皆さん、たくさんの方々に支えられてここまで来ることができました。フロンターレで学んだことを生かし、これからサッカー選手としてもっともっと成長していきたいと思います。
最後に。去年僕の応援歌を作っていただいたのですが、その歌をスタジアムで聞けなかったのが心残りではあります。いつかまた等々力に帰ってきたときに、その応援歌を聞けたら嬉しいです。今まで応援ありがとうございました」とコメントした。
川崎の下部組織出身の三笘は筑波大から2020年に川崎入り。プロ1年目の昨季は新人最多タイ記録となる13得点を挙げ、川崎のJ1制覇に貢献し、ベストイレブンにも輝いた。日本が4位に入賞した東京五輪では右太もも負傷の影響でコンディションが上がらず、途中出場3試合に終わったが、3位決定戦のメキシコ戦では切れ味鋭いドリブルから日本の決勝トーナメント唯一のゴールを挙げた。
1901年創設のブライトンは2017-18年からプレミアリーグに昇格し、昨季は16位に終わった。日本人選手が移籍するのは初めてとなる。
サンジロワーズは1897年創設。1900年代から30年代に11度の国内リーグ優勝を果たした。近年は2部と低迷していたが、今季から1部に昇格。既に開幕しているリーグ戦では3試合を終えて2勝1敗の勝ち点6で首位に立っている。