「明治安田生命Ｊ１、神戸１－０鹿島」（２１日、ノエビアスタジアム神戸）

　５位神戸が３位鹿島との上位対決を制した。今夏に完全移籍で新加入したＦＷ武藤嘉紀（２９）がチーム合流からわずか３日という状況で、後半開始から出場。後半３４分にＭＦ山口蛍（３０）の決勝点をアシストし、いきなり結果を出した。ＦＣ東京時代の２０１５年６月２７日の清水戦（味スタ）以来、２２４７日ぶりの国内復帰戦を白星で飾った。

　後半３４分。左サイドに開いた途中出場のＭＦ中坂が相手守備ライン裏に出したボールに武藤は鋭く反応。右足アウトでゴール前に巧妙なパスを送る。ドウグラスが相手ＤＦと絡んでファーサイドに流れたボールを山口が押し込んだ。

　今季の目標にＡＣＬ出場権獲得を置く神戸だが、天皇杯では４回戦で敗退。ＡＣＬ出場権を得るには試合前５位につけていたリーグ戦で３位以内に入る以外は道がない。その中で同じ勝ち点４１で３位の鹿島戦は特に重要な意味を持つ一戦だった。

　三浦監督は前回、１８日の天皇杯４回戦・名古屋戦（豊田ス）から中２日で迎えた試合で、ＭＦサンペールが累積警告で出場停止ということも重なり、新システム３－３－２－２を投入。ドウグラスと佐々木が２トップ、イニエスタと郷家が２列目に入る新布陣に勝機を求めた。

　前半を０－０で終えると、後半開始からＭＦ佐々木に代えて武藤を投入。武藤はドウグラスと２トップを組み、ＭＦイニエスタのパスに鋭い抜け出しで応じるなど今後のホットライン誕生の予感も感じさせた。決勝ゴールの山口は「間違いなく神戸の貴重な戦力となるし、これから期待したい」と武藤の存在について語った。