なでしこ監督交代 理由も説明「高倉さんのチャレンジには本当に感謝」

 日本サッカー協会は1日、女子日本代表「なでしこジャパン」の新監督にU-20(20歳以下)女子代表監督の池田太氏(50)が就任することを発表した。

 午後5時からの就任会見には日本協会の田嶋幸三会長、今井純子女子委員長も同席。東京五輪で目標としたメダル獲得に届かずベスト8で敗退したなでしこジャパンは大会を総括する会見などを設けることなく新監督を迎えたが、就任会見の中で今井委員長から監督交代の経緯が語られた。

 今井委員長はまず池田監督を推挙した理由を説明。「2023年W杯、2024年五輪に向かって戦うことのできる、世界一奪還を目指すことのできる監督であること。日本の持つポテンシャルを信じ、その日本サッカーの持つ強みを最大限に引き出すことのできる監督。若手の登用、融合をしっかり果たせる監督。そして代表チームの強化だけでなく、日本女子サッカー全体の発展に情熱を持っていただける方」が新監督の要件であるとし、「候補者を挙げ、池田太監督にお願いをしたいということで意見が一致しました」と明かす。

 一方で、東京五輪で指揮を執った高倉麻子監督は契約満了で退任。前体制での課題とされた部分にも言及した。「高倉監督は個人戦術というか、個々の判断を非常に大事にする監督で、チームとしてのやり方を定めながらもあまり限定していかずに、選手たちの状況によった判断で、適切なプレーをしてほしいということを一番大事にしてほしいという方。スタイルとしても限定していくことで失われるものを非常に嫌う方で、自由度というのを与えながら選手を選び、トライしていった」と振り返る。その方向性について「高倉さんのチャレンジには私は本当に感謝していますし、共感できるところがあった。本当にそういうふうにできたら理想だなと思えるところがたくさんありました」とも話した。

 その上で「今の段階ではもう少し約束事というか決まり事、よりどころとなるような軸というものがあった方が選手も安心してプレーできたのかなと思っています」と見る。前体制で良かった部分は継続することを求めながらも「高倉さんが育ててきた選手もたくさんいますし、違うアプローチで連動性だったり、強みになるものを高めて戦っていきたい。池田さんは少し違うアプローチでそれを成し遂げてくれるのではないかと期待をしているところです」と新体制での挑戦に期待した。

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