Jリーグ「事業活動」の制限緩和へ “地域密着の理念”堅持 ホームゲームの規約も維持へ
Jリーグが来季から事業活動に関する規制緩和を検討していることが17日、複数の関係者の話で分かった。クラブ代表者による実行委員会で既に方向性は定まっているという。
現在の規約ではホームタウン以外での営業や広告宣伝活動、サッカー教室やスクール活動、パブリックビューイングなどのイベント開催は困難だったが、今後は事業活動における活動地域が原則的に制限されないこととなる。
例えばJ1神戸が東京都内でサッカー教室を開き、MFイニエスタが臨時コーチとして参加することも可能。各クラブは地域密着の理念を維持しつつ、新規サポーターやスポンサー獲得など事業拡大の契機を模索していくことになる。
ホームゲームに関する規約は変更されないとみられる。現在でも「Jクラブは(略)ホームゲームの80%以上をホームスタジアムで実施しなければならない」(第40条2)と定められており、ホームゲームの20%以下がホームスタジアム以外でも開催可能となっている。だが、シーズンチケット販売などへの影響も大きく、イニエスタが所属する神戸を含め、実際に主催試合を他地域で実施する例は稀少だ。
Jリーグの村井満チェアマン(62)は同日、「ホームタウン制度について撤廃・変更の事実は一切なく、今後、Jクラブの営業、プロモーション、イベント等のマーケティング活動における活動エリアに関する考え方の方向性について議論しているもの」という声明を発表し、「Jリーグが創設当初から掲げている地域密着の思想が揺らぐものでは全くありません」と強調した。