槙野智章、涙の退団会見で“浦和愛”「毎日泣いている」「監督で帰ってきたい」
今季限りで退団するJ1浦和の元日本代表DF槙野智章(34)が17日、オンライン取材に応じ「あんまり整理がついていない」と声を詰まらせた。
今季で契約満了となる槙野は5日にクラブから契約延長の意思がないことを通達されたといい、「時間はたったが、今になっても答えを導き出せない。『まさか自分が』という思いはあった。毎日泣いています。このクラブが好きだから。大好きなクラブでずっといたかった。このクラブで引退したかった」と涙ながらに浦和への深い愛情を示した。
この日の非公開練習では別メニュー調整だったといい、ピッチ外から練習を眺めながら「練習の雰囲気、空気感を見て心配だなと個人的に思った」と話したところで言葉が続かなかった。「誰か引っ張る姿というか、リーダーというか、そういう選手が出てくればいいなって心配している」と涙を拭いながらクラブの未来を案じた。
クラブが出した結論について「求めることは理解できなかった」と正直な思いを吐露した。来季は22年のリーグ優勝を掲げた「3年計画」の最終年だった。「来年どう変わっていくか見てみたいし、楽しみ。クラブが掲げる狙いを実現するなら、俺がいなくてできるかなというのは正直ある。狙いとすることを最後までやりたかったというのが本音です」と複雑な心境ものぞかせた。
現在B級ライセンスを受講中という槙野は「監督になって帰ってきたい」。プロ野球日本ハムの新庄剛志監督の名前を挙げ「あの監督を見たいと思ってもらえるような監督になって戻ってきたい」と将来的には浦和の“ビッグボス”となる考えも明かした。
12年に加入し、17年アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)、18年天皇杯制覇など複数のタイトル獲得に尽力。明るく社交的な性格で多くのサポーターに愛され、ピッチ外でも幅広い層にサッカーの魅力を訴えかける努力を惜しまなかった。“レッズ愛”を貫いた在籍10年間だった。
◆槙野智章(まきの・ともあき)1987年5月11日、広島市出身。広島の下部組織から2006年にトップチーム昇格。10年12月にドイツ1部ケルンに完全移籍した。12年に浦和へ期限付き移籍し、13年には完全移籍に移行。J1通算398試合75得点。J2通算41試合7得点。10年1月のアジア杯最終予選イエメン戦で日本代表デビューし、18年W杯ロシア大会出場。国際Aマッチ通算38試合4得点。182センチ、77キロ。妻は女優の高梨臨。