C大阪・大久保嘉人 今季限りで引退 J1通算歴代最多191得点“希代のストライカー”

 J1・C大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)が19日、今季限りで現役を引退することを発表した。この日午前の練習でチームメートに伝えた。J1歴代最多の通算191得点。希代のストライカーが20年目のシーズンでスパイクを脱ぐ。22日に引退会見を行い、自らの口で決断について語る。

 20年間の現役生活に終止符を打つ。大久保はクラブを通じ「20年間という長い期間、プロサッカー選手として走り続けられたのは、日本サッカー界、そして所属させてもらったクラブの関係者、ファン・サポーターの皆さまのおかげです。本当に感謝しかありません」と引退を伝えた。

 国内6クラブ、スペイン、ドイツでもプレーした流浪の点取り屋は今季15年ぶりにプロの出発点であるC大阪に復帰。昨季無得点だったため、サポーターからは獲得に批判の声も出た。しかし開幕から3戦連発。復活を予感させた。だが夏場以降は失速。前人未到のJ1通算200得点まであと9点に迫りながらの決断となった。

 得点が最多なら、警告数もJ1最多の104。「この20年間、苦しいことも楽しいこともうれしいこともいっぱいありましたが、苦しいことが一番多かったかもしれません。しかしそれが自分を強くしてくれたと思っています。そして、大久保嘉人のプレースタイルが、いろいろなチームの選手、ファン・サポーターの皆さまにご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っています」。

 そんな“悪童”も年齢とともに落ち着きを見せる。単身赴任を予定していた今季は、大阪での生活を志願した三男・橙利君と父子二人暮らし。料理に初挑戦する姿などほのぼのとした話題も振りまいた。実に人間味あふれる選手だった。

 残すはリーグ戦3試合と天皇杯。W杯2大会出場など輝かしいキャリアを誇るが、まだ優勝経験が一度もない。4強入りしている天皇杯を有終の美とする。

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