FC大阪 キングカズと初交渉 目標のJ3入り達成へ「カズさんが必要」
横浜FCの元日本代表FW三浦知良(54)が20日、大阪府内で自主トレを行った。午前、午後の2部練習の合間にはJFLのFC大阪と約1時間の交渉に臨んだ。
カズはJ2に降格する横浜FCから残留要請を受けているが、出場機会を求めてカテゴリーを問わずに移籍を検討。これまでJ2琉球、JFLの鈴鹿、高知、関西1部のおこしやす京都、アルビレックス新潟シンガポールと国内外の5クラブと会談。この日、6クラブ目となるFC大阪と交渉した。
大阪から3番目のJリーグ入りを目指すFC大阪からは近藤祐輔社長(35)、岡崎将太副社長兼GM(39)が出席。交渉後に近藤社長が取材に応じ、オファーを出した理由を説明した。
理由としては大きく三点。まずFC大阪では今季開幕前の2月10日に疋田晴巳前社長が急性劇症肝炎のため、60歳で急逝した。1996年のチーム発足から運営に携わってきた疋田前社長は、夢だったJリーグ入りが目前に迫りながら、その瞬間を見ることができなかった。疋田前社長が選手としてのカズを尊敬しており「疋田が生きていたら必ず手を挙げていたと思います」と近藤社長は代弁した。
次にJ3ラインセンスを交付されながら、規定の順位を2年連続でクリアできずにJ3入会が果たせないチーム状況。「全体的にメンタリティーの不足」と感じているという。戦力としては当然のことながら、現在のチームにカズの経験が必要なものだと言い切る。「先頭切ってやっていただけるとオファーさせていただきました」。
最後にホームタウン東大阪市に対する思い。花園ラグビー場があるラグビーの町に存在するサッカークラブとして、サッカーも盛り上げて、東大阪をフットボールの町とすることを掲げる。「サッカーの象徴であるカズさんが来る。そういった町にぎわいを東大阪の文化につなげていきたいという思いがある」と話した。
クラブの来季目標はJ3入り。「来年必ずJ3昇格の順位に入らないといけない。そのために今シーズンできなかったこと含めて、いろいろ変えていけないといけない。これから作り上げていかないといけないことがたくさんある。そのためにカズさんが必要」。キングの存在がクラブに与える大きさを強調した。