Jで相次ぐパワハラ 村井チェアマンが謝罪「暴言とか暴力は一切許されない」

 Jリーグが30日、鳥栖の金明輝前監督のパワーハラスメント(パワハラ)行為について、処分を発表した。村井満チェアマンは、「(リーグの)責任者として申し訳なく思っております」と謝罪した上で、「暴言とか暴力は一切許されない」と、サッカーに関わる人が意識を変えなければならないと危機感をにじませた。

 先日にも東京Vでのハラスメント事案が発生し、処分を発表したばかりとあって、「ハラスメントの事案がJリーグで起こっていることに、責任者として申し訳なく思っております」と謝罪した。

 こうしたハラスメント事案が発生する背景として、「過去、許されていたことであった、または自分自身が指導者からそういう指導を受けていた、過去から引きずるような事案が、多々、事象の温床となっている感があります」との所感を述べた。

 その上で、「時代は変わりました。社会はハラスメントの問題に関して、非常に大きな、ナーバスな、重大な関心を持っていただいているにもかかわらず、われわれが社会についていけていないと感じるものであります。社会規範は時代とともに変わっていくことをしっかり理解した上で、理由のいかんによらず、ハラスメント、暴言とか暴力は一切、許されないことをJリーグとしては確認したいと思っております」との意向を示した。

 チェアマンは、スポーツ界全体や、社会全体に与える影響の大きさから、「今のJリーグの状況ではとてもではないけれども胸を張れるものではないというふうにあらためて感じております」とした。

 また、Jリーグがすべての事象の調査、事実確認をすることが物理的に不可能なため、各クラブでの努力が必要だと指摘。「今回、クラブでの自主的な事実確認がありましたが、この内容が十分ではなかったがために、非常に長期化、広範囲にわたる調査の入り口となりました。そういう意味ではクラブ自身の自浄作用の在り方も一つ問題提起があったと認識しております」と語った。

 また金前監督の素養については、「大変、有能な監督であったと思っておりますし、将来のある監督だとも思っています」とした。だからこそ、「この事象をしっかり乗り越えて、反省することを反省していただきながら、また未来に向けてですね、再起をしてもらいたい」との期待を込めての処分だとした。

 金前監督への処分は(1)公式試合への出場の資格停止8試合又は8試合に相当する期間の経過(期間で言うと2022年2月19日~3月26日)、(2)けん責。クラブとしての鳥栖への処分は(1)罰金300万円、(2)けん責と発表された。

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