J1鳥栖「いかなるハラスメントも許さない」とパワハラを謝罪 組織的な隠蔽は否定
J1鳥栖は30日、Jリーグから金明輝(キン・ミョンヒ)前監督(40)とクラブに対する懲罰が決定したこと受けてオンラインで記者会見を行い、福岡淳二郎社長が謝罪した。
福岡社長は「たいへん重く受け止めている。今後クラブ内において、いかなるハラスメントも絶対に許さないという信念と覚悟を持ち、提言についても真摯に受け止め、2度と繰り返さないよう再発防止に取り組んでいく。クラブの調査が不適切かつ不十分であったと指摘を受けた。さらに我々の対応が、クラブを支える選手やスタッフへの敬意や配慮を欠くもので、ファン、サポーターへの期待を裏切るものと指摘されたことは痛恨の極み。クラブ理念を実現できるのか、地域の皆さまに愛される資格はあるのか、自問自答しながらクラブが生まれ変われるように挑戦したい」と詫びた。
Jリーグは金前監督について、2016年からトップチームやユースチームの選手、スタッフに対し暴力行為や暴言によるパワーハラスメントを繰り返していたと認定。公式試合8試合相当の出場資格停止とけん責の処分を下し、クラブに対しても「必要十分な調査を行わなかった」として、罰金300万円とけん責処分を科した。
Jリーグの調査報告書によると、8月下旬に金前監督が鳥栖U-18監督時代に選手を突き飛ばし、自動販売機にぶつかったとの一部報道があった際、面談した新里裕之前GMに対し、金氏は事実を認めたが、新里氏はクラブに対して「(金氏は)記事の内容についてやった記憶はないし覚えてないとのことだった」と報告。クラブもJリーグに対して同様の報告を行っていたという。この件について、調査チームは「積極的な隠ぺいとは言えないが、消極的隠ぺいと捉えられても仕方ない」と指摘した。
新里氏が事実と異なる報告を行ったことについて、会見に同席した進龍太郎取締役はJリーグの調査報告書で知ったとした上で「詳細を全く把握しておらず、発言が事実であるとすれば大変遺憾」と語り、「組織的にパワハラを隠蔽しようという意図はクラブには全くなかったと強く断言したい」と説明した。