なでしこ・池田監督「女子の歴史に新しい景色を」 1月からW杯予選「結果と成長の年」
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の池田太監督(51)が2日までに合同インタビューに応じた。昨年10月に就任した新指揮官は早々に大一番を控える。2023年にオーストラリアとニュージーランドで共催されるW杯の予選を兼ねたアジア・カップ(1月20日~2月6日、インド)。開幕まで3週間を切った大会に向けて、指揮官は「アジアの頂点とW杯の出場権を」と意気込んだ。
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-昨年はどんな1年だったか。
「就任したのがちょうど(昨年)10月1日。選手と一緒に新たな『なでしこ』のスタートが切れるとうれしく思った。積み上げた女子サッカーの歴史に新しい景色を作り出す、そういう責任と覚悟を強く持っている」
-1月にはアジア杯を控える。
「W杯予選と言う挑戦。選手たちと成長しながら、アジアの頂点とW杯の出場権を勝ち取っていく、成長の1年にしたいと思っている。結果は絶対に必要となってくる。結果と成長の年と考えている。いろんな大会や国際親善試合、合宿を通じて、なでしこジャパンが目指しているサッカーに選手自身で『ものさし』を作って、お互いに伝え合えるような、選手同士で切磋琢磨しながら成長できる1年というイメージ」
-インドでの戦い方。
「1、2月も暑い。乾期で気温30度近くになったり、平均でも25度くらい。まずは環境への適用、コンディションをどうしていこうか、どうやって積み上げていこうかスタッフと話しているところ。(選手を)ローテーションするのか、ゲームプラン、ゲームコントロールをどうしていくか。最初から策に頼る訳ではなく、自分たちがトライしてきたものは出すが、現地の環境や1次リーグだと他チームとの兼ね合いも出てくる。1次リーグ全体を見回し、チームとしての変化も考えていかなければ。今は柔軟に考えている」
-指導者になったきっかけ。
「26歳で(浦和)レッズを戦力外となり、どこでサッカーを続けるか悩んでいた。GMだった横山謙三さんから指導者の道はどうかと話をしていただき、求められるところでサッカーに関われるのは幸せだと考え、指導者の道に入った」
-2017年にU-19(19歳以下)女子日本代表監督に就任。
「なでしこジャパン前監督の高倉監督とはS級ライセンス(講習)の同期。高倉さんから女子サッカーに興味はないかという話をいただき、国を背負って戦うのは素晴らしいものだと思った。男女の区別なく、監督としてトライできるんじゃないかと、女子サッカーの世界に入った」
-監督として心がけていることは。
「選手一人一人にどうアプローチするのが一番伝わるかと考えている。一人一人への言葉がけのタイミング、アプローチ方法は別。私が直接言うよりコーチを介した方がいい場合もある。どう関わっていくかを常にスタッフと共有しながら進めてきた」
-なでしこジャパンは結果が求められる。
「結果とともに、人々に勇気や感動、女子サッカーの素晴らしさ、文化を広げていくところでもある。そういう姿を見せなきゃいけないというプレッシャーや責任は常に考えている。肝に銘じて仕事に臨んでいるところ」
-監督をやっていて落ち込む時は。
「当たり前だが、やはり結果が出ない時。次を考えないといけないので、落ち込んでいる時間もあまりない。代表監督の責任を考えつつ、代表を通じてサッカー界に恩返しできるんじゃないかという気持ちを持って、次に何をしなければいけないかと考えている」
-サッカー以外の時間はどう過ごす。
「職業病か職業柄か、何をしていてもサッカーのことを考えてしまう。フローリングを見ても、練習のグリッドに見えてしまう(笑)でも息抜きというか、家族との時間は大切にはしようと思っている」