青森山田 3大会ぶり3度目V 圧巻4発!松木主将「仲間と一緒に」悲願の3冠達成
「全国高校サッカー選手権・決勝、青森山田4-0大津」(10日、国立競技場)
青森山田が大津(熊本)を4-0で下し、3大会ぶり3度目の優勝を飾った。4大会連続の決勝は試合開始から攻めこみ、主将のMF松木玖生(3年)のゴールなどで圧勝。全国高校総体と高円宮杯U-18プレミアリーグ東地区に続いて、高校3冠を達成した。阪南大高(大阪)のFW鈴木章斗(3年)が通算7ゴールで得点王に輝いた。
圧巻の強さで頂点まで登り詰めた。優勝決定のホイッスルが響いた瞬間、主将のMF松木は拳を握り、3大会ぶり3度目となる王座奪還をかみしめた。
「春から頑張ってきたものが報われてすごくうれしい。今シーズン1、2番を争う(内容の)結果だった」
試合は前半から押し込んだ。同37分、9本目のCKにDF丸山大和(3年)が「信じて飛び込んだ」とヘディングで今大会4得点目となる先制点を挙げた。そこから後半10分に松木が決めたゴールを含め、最終的に4発快勝。今大会5試合21得点の攻撃力だった。
「試合前に最高のウオーミングアップができた。これは勝ったと思った」と松木。青森山田はピッチの上で、気迫あふれる大声を出しながらストレッチや体操、ボール回しなどを行う。心身ともに充実した仲間の姿に、すでに勝利を確信していた。
松木は1年生から主力として選手権に出場し通算10得点目。ただ、昨季まで2大会連続準優勝と悔しさを味わった。2大会前の決勝・静岡学園戦ではゴール前で自らマークしていた相手に振り切られ決勝点を献上した。
その試合後、当時の主将、MF武田英寿(大宮)から「1年生でよくやってくれた。これから頼むぞ」と思いを託された。最後の選手権で頂点に立ってみせ、黒田監督も「最高のキャプテンになった」と目を細めた。
全国高校総体と高円宮杯U-18プレミアリーグ東地区に続く高校3冠。「仲間と一緒に取った3冠なのでしっかり喜びを分かち合いたい」と、表彰式後にはスタンドにいるメンバー外の部員のもとへ真っ先に駆け寄った。
24年パリ五輪出場も目指す松木はJ1FC東京への加入が決まっている。「どこでもチームを勝たせるプレーをしたい」。名門・青森山田の誇りを胸にプロの世界へ飛び込む。