カズ 「死ぬまで選手」 13日リーグ開幕!初のJFL挑戦、サッカーの魅力語った
サッカー日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズに新加入した元日本代表FW三浦知良(55)が先発出場を予定する13日の開幕・ラインメール青森戦(四日市)を前にインタビューに応じた。自身初となるJFL挑戦やチームメートとの交流、55歳を迎えてなお選手として追い求める、サッカーの魅力を語った。
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-自身初のJFL。Jリーグとの違いは
「環境で言えば、ユニホームや練習着、スパイクとかは全て自分管理。今まではエキップ(用具担当)がついてやってくれていたけど、荷物も全部自分で運んで、自分で整理して。久しぶりにそういう環境の中でサッカーをやっている」
-ユニホームや練習着の洗濯も自身でしているのか
「横浜FCの時から個人的にも仲のいい中里(※注1)が一緒にいるので、彼がやってくれています。僕との付き合いで、好意でね(笑)。たまに中里の家では間に合わない時もあるので、2人でコインランドリーに行ったりもしました」
-鈴鹿の町で声をかけられたりなどは
「まず町に出ないんでね。ホテル暮らしですが、店も閉まっていて外食もしない。ホテルも人が少ないから、人に会うことがほとんどない」
-鈴鹿のチームメートとの交流は
「もう自然に。グラウンドで必要な時に必要なことは話して。この間はお風呂で何人かと僕の20代、30代のころの話だったりとか、みんながあまり聞いたことないような話をすると、面白がってくれますよ」
-鈴鹿でのカズダンスへ期待は大きい。得点を挙げるイメージは
「個人的なことよりも、チームがいかにたくさん点を取っていけるか、たくさんチームがチャンスをつくれるかというのがすごく大事。僕だけが点を取ったところでチームが昇格できるわけじゃないし、チームが昇格するためにやる。チームとしてどのくらいのチャンスをつくって、どれだけチームが点を取っていけるか、いろんな選手が取れるか。僕はその中の1人」
-入団会見で話していた伊勢神宮への参拝(※注2)は
「すぐ行きましたよ」
-ちなみにお願いごとは
「みんなが健康でありますように、という。必勝祈願はしなかったですね。サッカーのお願いはあんまりしないかな」
-実兄が指揮を執る姿を見て、指導者への興味などは
「ないですね。死ぬまで選手」
-その理由は
「よく分かってないからじゃないですか、サッカーのこと(笑)。やることは分かってますけど、人を指導できるような器もないし。監督をやるというイメージがないし、興味が湧かない。練習やるなら自分がやりたい(笑)。サッカーは競技するものと思ってるんじゃないかな、仕事としても、趣味としても」
-死ぬまでプレーし続けたいという、サッカーの魅力とは
「鈴鹿にも、横浜FCのジュニアユースにいた子がいるのよ。僕が40歳の時の試合を見に来て、そのプレーに感動した、と。そういう子と今一緒にプレーできるという、これが最大の喜びでもある。あとは僕ね、なんだか試合に出ると報道されるんで(笑)。世界の名だたる選手から『おめでとう』って来たりとか、そういう世界とのつながりが常にある。サッカーはグローバルで、つながりがすごくあることがね、いいなあって思う」
-サッカーには出会いと発見の素晴らしさという魅力があると
「J1、J2もそうだったけど、JFLに来ると、また行ったことのないような土地に行って、試合ができる、いろんな人に出会える。これもまさに『フーテンのカズさん』って感じでいいんじゃないですかね(笑)。日本代表の時だとサウジアラビアとかオマーンとか、アラブの国もそうだし。なかなか行かないじゃない。そういう生活が楽しい。バスに乗ってみんなで試合に行くとか、そういう生活が好きなんでしょうね」
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(注1)鈴鹿のFW中里崇宏。横浜FC時代もカズのチームメートだった。
(注2)映画『男はつらいよ』シリーズ第39作『寅次郎物語』(1987年)のロケ地が伊勢・志摩であることから。カズは同シリーズのファンを公言しており、2月26日の誕生日では主人公・車寅次郎に扮(ふん)し「フーテンのカズさん」として登場した。