三笘薫 日本救った2発 7大会連続7度目W杯、雨の敵地で決めた 後半39分に投入

 後半、先制ゴールを決め駆けだす三笘薫(右)=共同
 後半、先制ゴールを決める(左)=共同
 試合終了間際、自身2点目のゴールを決め、跳び上がって喜ぶ(共同)
3枚

 「W杯アジア最終予選、オーストラリア0-2日本」(24日、シドニー)

 日本代表がW杯カタール大会出場を決めた。敵地シドニーで行われたアジア最終予選B組第9戦でオーストラリアを2-0で下し、勝ち点21で1試合を残して2位以内が確定した。W杯出場は7大会連続7度目。途中出場の三笘薫(24)=サンジロワーズ=が後半44分に先制ゴールを決めると、その5分後には自ら切り込み、ダメ押しの2点目を奪った。前回ロシア大会でベスト16入りした日本は史上最高成績となる8強以上を目指す。

 大一番で圧巻の大仕事をやってのけた。後半39分に森保監督から「決めてこい」と背中を押され投入された三笘が、日本をW杯出場に導く2発を決めた。「(決めた瞬間は)覚えていないですけど、自然とベンチの方へ行った。全員の力で勝った勝利だと思います」。ベンチからチームメートが背番号21に集まり、歓喜の輪ができあがった。

 「1分でも結果を出さないといけない世界」と覚悟を決めた通り、約5分間で応えてみせた。A代表初ゴールとなった先制点は0-0の後半44分。川崎でともにプレーした3人の連係から生まれた。DF山根からのパスを「最後の詰めるところまで予測できた」というMF守田が受けて縦に流すと、これを山根がゴールライン手前で折り返し、三笘がゴール左へ流し込んだ。終了間際には「行くしかない」と左サイドからカットイン。最後は右足シュートでダメ押しの2点目を奪った。

 ここまでには挫折も味わってきた。昨夏の東京五輪では期待されながらも負傷の影響もあり、先発出場もなくベンチ外を経験するなど不完全燃焼に終わった。五輪後にはさらなる成長を求め、川崎からイングランド1部ブライトンへ完全移籍。そして期限付き移籍で、ベルギー1部サンジロワーズへ戦いの場を移した。

 今季公式戦6得点3アシスト。左ウイングバックでのプレーを通して課題の守備を克服し「メンタル的にも着実に成長してきた。(プレーの)幅が増えて日本にいる時よりも自信がついた」。見守り続けた森保監督は三笘を招集し「コンディションも上出来だった」と迷わず起用して勝利につながった。

「これから競争」

 W杯本大会までは、まだまだ定位置争いは続く。「まだ代表に定着していない。これから始まる競争に勝っていきたい」。間違えなく不可欠な選手であることを証明した三笘がW杯でも日本の力となる。

 ◆三笘薫(みとま・かおる) 1997年5月20日、川崎市出身。川崎の下部組織出身で川崎ジュニアの1期生。筑波大を経て、2020年に川崎入り。プロ1年目に新人最多タイ記録となる13得点を挙げ、川崎のJ1制覇に貢献した。東京五輪終了後の8月にイングランド・プレミアリーグのブライトンに完全移籍。英国の労働許可証を取得できていない今季はベルギー1部サンジロワーズに期限付き移籍してプレーしている。178センチ、71キロ。

 ◆最終予選の複数点は3人目 三笘の2得点は日本代表の偉大な先輩に肩を並べる記録となった。最終予選の複数得点は、日本が初出場した1998年大会以降では3人目。過去には97年9月7日のウズベキスタン戦(国立競技場)での三浦知良の4得点と、2012年6月8日のヨルダン戦(埼玉スタジアム)での本田圭佑の3得点がある。アウェー、交代出場での達成はいずれも初めてだった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス