「Ｗ杯アジア最終予選、オーストラリア０－２日本」（２４日、シドニー）

　４戦連続ゴールをマークし、Ｗ杯出場へ大きく貢献した日本代表のＭＦ伊東純也（２９）＝ゲンク。激戦のＷ杯最終予選を振り返りつつ、愛妻への感謝の気持ち、初めてのＷ杯本大会への思いなどを語った。

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　うれしいというか、やっと（Ｗ杯出場を）決めることができたのでホッとしています。

　序盤は本当に苦しみました。最終予選が初めてということは気にしないようにしたつもりでしたが、いつもよりプレーが硬くなり初戦のオマーン戦を落として、より難しくした印象です。最終予選は１試合も簡単な試合はないと痛感させられました。

　第２戦の中国戦はアシストもして勝ちましたが、第１戦の敗れたオマーン戦でチャンスを決めきれなかったことにすごく責任を感じていました。その上、第３戦のサウジアラビア戦は累積で出場停止に。それでも、チームを信じてやれることをやろうと、ウオーミングアップ後の片付けを手伝うなどサポートしましたが、悔しい結果でした。

　チーム浮上のきっかけは第４戦ホームのオーストラリア戦。すでに２敗して追い詰められていました。森保監督、吉田主将を中心に「勝つしかない。死ぬ気でやろう」と全員で決意を固めて臨み勝つことができました。この試合での勝利が大きくチームの雰囲気も変わり、そこが全てだったと思います。

　第５戦のベトナム戦からは４試合連続ゴール。自分でもこれには驚きで４戦連発をできるとは思っていなかったです。４年前は（原口）元気くんの４戦連発を見ているだけでしたが、その時期くらいからもっと代表に絡みたいという気持ちが強くなりました。

　昨年１１月には結婚したことも力になりました。一人だと外出することもないのでオフには妻と一緒に出かけて気分転換になっています。ご飯も作ってもらい、体調管理の面もとてもいいと思います。自分自身こだわりがないので何でもいいんです。作ってくれるだけで。支えてもらえてありがたいです。

　自分自身は小さい頃からプロサッカー選手にはなりたいと思っていました。だけど、中学校に上がる前にマリノスの下部組織の入団テストを受けて落ち、高校は普通の公立で県大会止まりでした。当時は日本代表、Ｗ杯どころかプロになることさえ全く現実的ではなかったです。

　プロ入りが意識できたのは関東大学リーグ２部でベストイレブンや得点王を取った大学からでした。プロ入り後は甲府から柏に移籍してＪ１でもできるという自信を得ました。そして、ベルギーに移り、１８－１９年の１年目にリーグ優勝、２年目にはＣＬ（欧州チャンピオンズリーグ）に出場できたことが自分の中の基準を高めてくれました。

　Ｗ杯本大会は自分にとって初です。スピードはもちろん、海外でフィジカルの強さも身に付きました。同じく日本代表には欧州でやっている選手が多いので、初の８強入りへレベル的に劣っているとは思いません。個でも戦えるようにしてきました。本大会でもしっかり活躍して結果を出せるようにしたいです。（ゲンク所属、日本代表ＭＦ）

　◆伊東純也（いとう・じゅんや）　１９９３年３月９日生まれ。２９歳。神奈川県横須賀市出身。中学時代は横須賀シーガルズジュニアユースでプレー。逗葉高から神奈川大に進学し、関東大学リーグ２部では得点王や２度のベストイレブン。２０１５年に甲府でプロデビューし、１６年に柏へ完全移籍して１７年にＪリーグ優秀選手賞。１９年にベルギー１部ゲンクに期限付き移籍し、２０年から完全移籍。２０－２１シーズンには公式戦４２試合１２得点１６アシスト。１７年１２月９日の東アジアＥ－１選手権・北朝鮮戦でＡ代表デビュー。２１年１１月には一般女性との結婚を発表。１７６センチ、６８キロ。利き足は右。