INAC神戸・京川舞 バセドー病闘病から復帰 WEリーグ初出場 先発で決勝点アシスト
「Yogibo WEリーグ、INAC神戸1-0長野」(16日、ノエビアスタジアム神戸)
昨年5月に甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドー病と診断されたことを公表し、治療に専念していた元日本代表FW京川舞(28)がWEリーグ初出場を果たした。2トップの一角で先発し、前半32分には日本代表FW田中美南(27)の先制ゴールをアシストした。
常盤木学園高時代になでしこジャパンに選出されるなど活躍を続けてきた京川はWEリーグ開幕前の昨年3月中旬に異常を検知。同年4月に精密検査を行ったところ病名が判明した。クラブは寛解、そして復帰を全力でサポートしていくことを確約し、京川は治療に専念することでリーグ開幕を迎えた。
練習のサポートなど裏方業務も行いながら、軽い運動から復帰への段階を進めていった。今年2月18日についに全体練習に合流。3日の前節・日テレ東京V戦(味フィ西)で始めてベンチ入りさせた星川敬監督は「病気自体は知っていましたけども、カムバックできるのかということは例を調べてもあまりなかった。正直自分も驚いていますし、彼女自身の現場にプレーヤーとして戻るんだという意思と、プレーの質というのは本当に病気になる前と変わらないところに戻してきているので。リスペクトしかない」と、その姿勢をたたえた。
そしてホームで迎えたこの試合で先発起用した。前半32分にMF阪口からのパスをダイレクトで縦に通し、田中の4試合連続ゴールをアシスト。復帰戦、そしてWEリーグデビュー戦で結果を残した。「自分自身復帰戦でしたが、とにかく勝ち取るということに集中してやっていきたいという思いでした」。後半26分にFW高瀬との交代でピッチを出る際には大きな拍手が送られた。「本当にその拍手がお帰りと言っているような感じに聞こえてとてもうれしかったです」と感慨深げに語った。
これでINAC神戸は12勝2分けの開幕14戦無敗。初代女王に向け、首位を独走する。対戦相手の結果次第では、最短で29日の広島戦(ノエスタ)で優勝の可能性がある。