サッカー元ブラジル代表エジミウソン氏「日本に特別な思い」子どもの経済支援団体設立

 子どもたちと集合写真を撮影するエジミウソン氏(下)
 サッカー教室で子どもらと一緒にプレーするエジミウソン氏
 サッカー教室で子どもとふれ合うエジミウソン氏(左)
3枚

 サッカー元ブラジル代表で2002年W杯日韓大会で優勝を経験したDFエジミウソン・モラエス氏(45)が4日、都内でサッカー教室を開催後に会見を行い、経済的な理由でサッカーを続けることが困難な子どもたちを支援する「エジミウソンファンズ・アジア」の設立を発表した。

 エジミウソン氏は「現役を終えて第2の人生で子どもたちのために何かできないかということを考えていました。私がサッカーで与えてもらったこと、神様に与えてもらった私の人生を子どもたちに還元したいという思いで始めました」と立ち上げの理由を説明した。公式サイトや同日から開設したクラウドファンディングなどで寄付を募る。「エジミウソンサッカー奨学金」として、サッカークラブに所属し、経済的理由から活動を続けられない18歳以下の子どもに給付型の奨学金を支援する。

 自身も子どもの頃、貧困に苦しんだ経験があった。当時、ブラジルのキンゼ・デ・ジャウーの下部組織に在籍していたが、父親の仕事の関係もあり家庭の経済状況は苦しく、サッカーをやめて働きに出なければいけないところまで追い込まれていた。

 そこで、日本からサッカー留学に来ており、チームメートとしてともに汗を流していた林善徹氏(現エジミウソンファンズ・アジアの代表理事)にサッカーをやめるかもしれないことを打ち明けると、実家からの仕送りがあった林氏から迷わず300ドルを渡されたことでサッカーを続けることができた。

 当時のブラジルでは300ドルで4カ月は生活できたという。その後、エジミウソン氏はサンパウロ、フランスのリヨン、スペインのバルセロナなど名門を渡り歩き、ブラジル代表にまで登り詰め、W杯日韓大会でも優勝した。

 「人生には助けが必要な時があります。やはり、私がサッカー選手を目指す中で一番難しい時期を支えてくれたのが林です。当時は週末に自分の実家に帰るお金もなく、そういう難しい時期に隣にいて私を助けてくれました。このプロジェクトを立ち上げる上で、日本という国に対して特別な思いはそういう意味でもあります」。日本人に救われたことが日本での活動を始めるきっかけにもなった。

 「子どもたちは楽しむという気持ちをたくさん育ててあげることが大事。どの国の子どもたちもまずは楽しむ。そこで気持ちが通じ合う」。今後も1年に1、2回の来日を予定し、サッカー教室などを継続していく。

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