INAC神戸・高瀬愛実独占手記 職業欄に「プロサッカー選手」と堂々と書ける

 「Yogibo WEリーグ、相模原0-3INAC神戸」(8日、ギオン相模原スタジアム)

 サッカー女子の国内初のプロリーグ「Yogibo WEリーグ」は首位INAC神戸がノジマ相模原を3-0で下し、初代女王に輝いた。15勝2分け1敗の独走で勝ち点を47に伸ばし、2試合を残して優勝を決めた。国内リーグ制覇は2013年以来9年ぶりで、黄金時代の再来を予感させた。

  ◇  ◇

 応援ありがとうございました。WEリーグ初代女王を達成することができました。1年間ずっと良い時も悪い時も支え続けてくれた結果が、自分たちがここに笑顔で立てている要因だと思います。

 2009年の入団からずっとINACでプレーしてきました。気がつけば、同期の(中島)依美とともに在籍年数も最長で、チーム最年長。偉大な先輩方となでしこリーグを3連覇したこともあれば、タイトルから遠ざかり勝てない悔しさも味わいました。ガクッと成績が落ちた時にキャプテンをしていたので、自分が引っ張らなければと悩んだ時期もありましたが、今は考えが何周かして、シンプルに自分が良いパフォーマンスを出すことがまず一番だよねって、力を注ぐことができるようになりました。

 座右の銘の「初心忘るべからず」ではないですが、この年齢になっても学ぶことは多い。9年ぶりに復帰した星川監督のもとで初心を持ち続けて、成長したいと思いながら、良いシーズンを送ることができたと思います。

 昨年9月の開幕戦で先制点を決めることができました。これがWEリーグ第1号ゴールとなり、本当に人生で一番LINEが鳴るぐらい反響がありました。普段連絡しないような先輩や一緒にサッカーしてきた人たちからも連絡が来て、うれしかったです。

 日本女子サッカー界の念願だったプロリーグとしてWEリーグが誕生。ありがたいことにINACでは今までもサッカーに集中できる環境でやらせていただいていたので、日常の変化はそんなになかったのですが、気持ちの面では大きく変わったと思います。これまで職業欄に「正社員」と書いていたのが「プロサッカー選手」と堂々と書ける。ちょっとした時に「ああサッカー選手なんだな」って思ったり。それをずっと子どもの時から夢見てきたので、うれしさを感じます。

 4月のなでしこジャパン候補合宿はけがで辞退しましたが、代表も狙っていきたい。優勝を狙えるチームにいて、試合に出場できるのはそれだけでチャンス。若い選手に負けないぐらい全力で取り組みたいです。

 初代女王の目標は達成できましたが、観客動員などまだまだ課題はあります。試合に来てもらって、そこで心をつかむかどうかはやっぱり自分たちのプレー次第。だから楽しい、心が動くような、ああ頑張っているなとか、また見に来ようと思ってもらえるような試合をいつもしたいという思いがあります。これからも、たくさんの応援をよろしくお願いします。(INAC神戸FW・高瀬愛実)

 ◆高瀬愛実(たかせ・めぐみ)1990年11月10日、北海道北見市出身。5人兄姉の末っ子として生まれ、兄の影響でサッカーを始める。北海道文教大明清高卒業後、2009年にINAC神戸に入団。新人王に輝き、10年1月に日本代表入りした。11年ドイツW杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダル。日本代表通算61試合9得点。164センチ、61キロ。趣味は読書、散歩、宝塚歌劇観劇。

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