初の国立開催実現 INAC神戸・安本社長の次なる挑戦 来季開幕戦は観客が価格決定
サッカー女子のYogibo WEリーグでINAC神戸が初の国立開催を実現した。
14日に東京・国立競技場で行われた三菱重工浦和戦には、WEリーグ最多記録となる1万1763人が詰め掛けた。目標に掲げていた2万人には届かなかったが、前節までのリーグ平均入場者数が1400人余りだったことを踏まえると突出した数字と言える。INAC神戸の安本卓史社長は多くの子供たちが来場したことに触れ、「普及発展という意味でWEリーグが目指しているところ」と充実感も漂わせた。
約1500万円の会場使用料に加え、諸経費などで計3000万円の運営費が必要だった。安本社長自らも営業に奔走。国立競技場にしか設置がない広告枠などを活用し、20社から計3200万円の協賛を得るなど黒字を確保した。
女子サッカーの可能性に挑み続ける安本社長は、来季の開幕に向けて早くも動き出している。開幕戦の入場料を無料とし(エキサイティングシートなど一部を除く)、試合後に観客が価格を決めて決済するという構想を明かした。
さらに次回の国立開催では「ダブルヘッダー」を目指す意向も示し、既に国立競技場の了承も得たという。2試合を行い、主催チームが2つになることで運営費の負担も軽減できる。「次はナイターの試合で花火を打ち上げたい」とアイデアが尽きることはない。
集客はリーグ全体が抱える最大の課題だ。安本社長も「今年はだいぶ背伸びをしている」と認める一方で、「ここで満足したら終わり」と観客増へ今後もさまざま仕掛けを施していくことを約束した。2年目を迎えるWEリーグでもINAC神戸の挑戦は続く。