久保建英がA代表1号 代表デビューから1097日「このまま一生入らないんじゃないかと」

 「キリンカップ、日本4-1ガーナ」(10日、ノエビアスタジアム神戸)

 背水の覚悟だった。MF久保建英(21)=マジョルカ=は何度も削られ、何度もはいつくばり、そして立ち上がった。開始早々に右足を踏まれ、苦悶の表情を浮かべた。それでも「ここで代わったらないなと思った」。歯を食いしばり、ピッチを駆け続けた。そして待望の瞬間が訪れた。

 2-1の後半28分、三笘の折り返しに走り込んだ。3年分の思いを乗せて左足を振り抜いた。4日に21歳を迎えての初戦、通算出場17試合目での代表初ゴール。19年6月9日のエルサルバドル戦に18歳5日で代表デビューしてから1097日が経っていた。喜びは控えめだったが、「このまま一生入らないんじゃないかと思った」という言葉には偽らざる実感がこもっていた。

 17歳で代表に初選出された逸材も、W杯を前に追い込まれていた。控え組中心で臨んだパラグアイ戦(2日)では右FWの先発を堂安に譲り、「自分の立ち位置が見えてしまった」とこぼした。ブラジル戦(6日)では出番すら与えられなかった。「なんで出してくれないんだよって思ったが、それは負け惜しみ」。行き場のない思いを自らに向けた。

 20歳の誕生日を迎えた昨年6月4日。「大人のサッカー、大人の自分を見せていきたい」と語っていた姿は、どこか背伸びを感じさせた。1年後の誕生日。自身の置かれた状況を認め、W杯への思いを素直に語る姿には、等身大の若さがあった。余分な重しは取れ、心は軽くなった。「いろいろ考えて吹っ切れて、練習でも見違えるように軽くなった」。

 森保監督も「自分に自分でプレッシャーを掛けながら闘っているメンタルが十分に出た。日本のサッカーファンも(久保)建の成長には大きな期待がある。期待されることはプロとして素晴らしい誇りになる」と認めた。球際では線の細さも残ったが、小さな体で食らいついた。今の持てる全力を出し切り、W杯へ確かに近付いた90分間だった。

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