日本代表、魔さか惨敗締め 吉田主将がミスミス PK献上「滑ってはいけなかった」
「キリンカップ、日本0-3チュニジア」(14日、パナソニックスタジアム吹田)
決勝が行われ、本番想定のベスト布陣で臨んだ日本代表はW杯出場国のチュニジアに0-3で完敗しタイトルを逃した。後半10分、DF吉田麻也主将(33)=サンプドリア=のファウルでPKを与え先制点を許すと、同31分、お粗末な連係ミスで失点を重ねた。攻撃陣もチャンスを逸し続けて不発。6月4試合のラストで攻守に不安を残す締めにも森保一監督(53)は前だけを向き本番を見据えた。
致命的な守備のミスで3点を失った。本大会を見据えたW杯出場国同士の一戦で、本番では許されない守備ミスが後半に立て続けに出た。「後半自分たちのミスから崩れてしまった」。3失点に関与した主将の吉田が悔やんだ。
後半10分に吉田が背後を取られ、エリア内でのスライディングでPKを献上した。「シンプルに僕の個人的なミス。入れ替わった時にスライドしないといけなかったけど、それを考慮してもあそこで滑ってはいけなかった。試合を壊してしまったことは間違いない」と認めた。
31分にはロングボール処理でお見合い。2点目を失った。チュニジアのカリド監督は「日本に弱点があるとすれば守備であって、DFは難しい状況に置かれるとミスをする。球をDFの裏につけることに注意した」と試合後に指摘した。
森保監督はこの4連戦で吉田と遠藤を全試合に先発起用した。吉田は言う。「監督からの信頼は感じます。信頼というのは積み上げるのは大変だけど、サッカーでは一プレーですべて失ってしまう。それは重々承知しています」と自覚する。
主将としてチームをまとめながら、自身のパフォーマンスも発揮する。それができなかった。「全体を見ることと、自分のパフォーマンスの向上。ふたつのタスクがあるというのはキャプテンを始めた時から担ってきた。自分がここにいる価値というのは自分のパフォーマンスでしか証明できない」と奮起を誓う。
02年6月14日、W杯日韓大会の1次リーグ最終戦・チュニジア戦が長居スタジアムで開催された。2-0で完勝した日本は初の決勝トーナメント進出を決めた。20年の時を経て同じ大阪の地でチュニジアとの再戦。日本の進化を見せたかったが、課題が浮かび上がる試合となった。