J1G大阪 鈴木武蔵&食野亮太郎をW獲りへ 即戦力FW大型補強で浮上図る
J1G大阪が今夏の新戦力として、元日本代表FW鈴木武蔵(28)=ベールスホット=とFW食野(めしの)亮太郎(24)=エストリル=を完全移籍で獲得することが29日、濃厚となった。鈴木との交渉は大筋合意に達しており、近日中にも正式発表され、2年ぶりの日本復帰となる。食野は保有元となるイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティーとの契約を2023年6月末まで残しているが、移籍金を含めたクラブ間交渉は合意間近といい、3年ぶりの古巣復帰となりそうだ。
G大阪が反転攻勢へ即戦力FW“両獲り”の大型補強を敢行する。鈴木は2020年夏にJ1札幌からベルギー1部ベールスホットに完全移籍し、26試合で6得点を挙げた。2年目の今季は25試合1得点。チームは最下位に終わり、2部降格が決まっていた。来季も契約を残していたが、降格によって契約解除が可能となり、移籍金は発生しないという。
欧州でのプレー継続も含め、新天地を模索していた鈴木を巡っては、G大阪や古巣の札幌、FC東京などJ1の複数クラブが獲得に乗り出したが、真っ先に正式オファーを提示したG大阪の熱意が争奪戦を制した。
鈴木は20年11月を最後に日本代表から遠ざかっている。11月開幕のW杯カタール大会へ、大逆転でのメンバー入りを狙うためにも得点量産が必要となる。札幌時代の19年に13得点を挙げるなど実績を残した鈴木に、攻撃陣の新たな軸として期待が寄せられる。
G大阪の下部組織で育った食野は19年夏にマンチェスターCへ完全移籍した。ハーツ(スコットランド)リオアベ、エストリル(ともにポルトガル)に期限付き移籍し、1季ずつプレー。今季は公式戦11試合1得点に終わった。前線の強化を進めていたG大阪と新たな活躍の場を求めていた食野の思惑が一致。古巣への愛着も強く、交渉は順調に進んでいるという。
今季から片野坂知宏監督(51)を迎えたG大阪は広島戦(29日)の勝利で連敗を4で止め、12位に浮上した。ただ、19試合を終えて複数得点が5試合と得点力不足は顕著で、3月に右アキレス腱を断裂した元日本代表FW宇佐美貴史(30)不在の影響も大きい。
Jリーグの選手登録期間は7月15日からとなり、鈴木と食野は最短で同16日のC大阪戦(パナスタ)から出場可能となる。“大阪ダービー”を新戦力で制し、浮上の足掛かりとする。
◆鈴木武蔵(すずき・むさし)1994年2月11日、ジャマイカ出身。ジャマイカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少期に来日。群馬・桐生第一高から2012年に新潟入り。水戸、新潟、松本、長崎、札幌を経て20年夏にベルギー1部ベールスホットに完全移籍した。16年リオデジャネイロ五輪に出場し2試合1得点。19年3月の国際親善試合コロンビア戦でA代表デビューし、同12月の東アジアE-1選手権中国戦でA代表初ゴール。国際Aマッチ通算9試合1得点。185センチ、75キロ。右利き。
◆食野亮太郎(めしの・りょうたろう)1998年6月18日、大阪府泉佐野市出身。中学時代からG大阪の下部組織で育ち、日本代表MF堂安律(PSVアイントホーフェン)とは同期。2017年にトップチームに昇格し、19年には12試合3得点を挙げ、同年夏にマンチェスター・シティーへ完全移籍した。20年1月にU-23(23歳以下)日本代表として、同アジア選手権に出場。171センチ、68キロ。右利き。