西村拓真 W杯代表メンバー入り「サプライズ」ではなく「結果残して」勝ち取る
サッカーW杯カタール大会の開幕まで12日で100日となった。7月の東アジアE-1選手権で日本代表に初招集され、デビュー戦となった香港戦(19日、カシマ)で2得点を決め、W杯出場へアピールしたFW西村拓真(25)=横浜M=がデイリースポーツのインタビューに応じた。海外組が主力となっている現在のA代表において、Jリーグで現在得点ランク5位につけるなど国内で結果を残しており、逆転での本大会メンバー入りを狙う思いを語った。
◇ ◇
-E-1で日本代表初招集。デビュー戦でいきなり2得点した。
「代表に行って責任や覚悟や誇りを感じることができた」
-富山第一高時代の恩師、大塚一朗監督からはA代表に入って連絡はあったか。
「電話をした。『カタール行けよ』って言われた」
-本大会はドイツとスペインと1次リーグで同組になった。
「どのグループに入っても簡単な相手はいない。でもW杯はそれが面白い」
-これまでのW杯で一番の思い出は。
「記憶は(5歳だった2002年)日韓大会からある。日韓の時は(優勝したブラジル代表で得点王の)ロナウドの髪型(前頭部だけ髪の毛を残す)にしていた」
-当時のロナウドに憧れたからか。
「親にやられました(笑)。親はそんなに分かっていなかったと思うけど、もう自分がサッカーを始めていたので」
-家族や恩師からも期待を感じるか。
「はい。今まで関わってくれた人に本当に感謝しているし、そういう方々のおかげで今自分がサッカーをできている。一度代表に入ったからこそ感謝の思いは強くなった」
-06年ドイツ大会では巻誠一郎さん、14年ブラジル大会では大久保嘉人さんがサプライズで選出された。
「覚えてますね。でも、僕はサプライズという言い方は好きではない。自分で勝ち取ったと思いたい。(サプライズと呼ばれる人も)結果を残して選ばれているはず」
-そのために圧倒的な結果が必要。現在リーグ8得点、残り10試合の得点ノルマは。
「前から言っているが1試合1点は取りたい」
-達成できれば大久保さんも獲得した得点王も見えてくる。
「得点王に特別意識はない。まずチームで優勝したい。その中で日々成長してその先にW杯という思い」
-森保監督もE-1から9月の欧州遠征メンバーなどの候補になる選手は間違いなくいると。代表生き残り、本大会メンバー入りへ自信は。
「そんなに代表代表と言ってもよくない。目の前の活動や日々の積み重ねが一番大事。昔は代表を目指してばかりいて、目の前のことがおろそかになっていた」
-それは仙台や出場機会が思うように得られなかった(ロシア1部)CSKAモスクワ時代の思いからか。
「特にロシアの時。サッカーは良くも悪くも1試合で評価が変わると感じた。1試合で未来を変えることもできる。逆に落ちるのは一瞬。だから、日本に帰ってきてから目の前の1試合を大事にしている」
-参考にしている選手は。
「(ドイツ代表のトーマス)ミュラー。スペースの取り方と味方を生かす、生かされるプレーがとてもうまい。チャンピオンでいるチームに欠かせない選手の動きをずっと見ている」
-もう一回海外でもプレーしたいか。ミュラーのいるドイツか。
「はい、もちろんです。チャンスがあればドイツでやりたい」
◆西村拓真(にしむら・たくま)1996年10月22日、名古屋市出身。富山第一高2年時に全国高校選手権で富山県勢初優勝に貢献し、優秀選手にも選ばれた。15年に仙台入り。16年9月の甲府戦でJリーグ初得点を記録。17年ルヴァン杯でニューヒーロー賞を受賞した。18年8月にCSKAモスクワに移籍。20年1月にポルトガル1部のポルティモネンセに期限付き移籍。同3月に仙台に復帰し、22年から横浜Mに完全移籍した。178センチ、76キロ。利き足は右。